研究課題/領域番号 |
22K12809
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
山本 哲也 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 特任助教 (40530366)
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研究分担者 |
福永 雅喜 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 特任教授 (40330047)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 拡散強調画像法 / 磁気共鳴画像法 / 画像歪み補正 / 印加傾斜磁場補正 / 超解像技術 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気共鳴画像法の一撮像手法である拡散強調画像法(DWI)は、水分子拡散特性から脳組織構造描出を実現する有力な脳イメージング技術である。ヒト生体脳計測では、限られた撮像時間でデータ取得する必要から、解像度を優先できず、画像歪みが不可避の高速撮像を用いる。この画像歪みが及ぼす悪影響を包括的に取り除かない限り、いくら高解像化を図ろうと、精度を伴わず、逆にアーチファクトを増大させてしまう。本研究では、この問題を包括的に解決する新たな歪み補正手法を開発する。更に、これにより実現する高精度DWIデータに、後処理によって撮像時以上の解像度を得る超解像技術を適用し、1mmを切るヒト生体脳DWI計測を実現する。
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研究実績の概要 |
磁気共鳴画像法の一撮像手法である拡散強調画像法(DWI)は、水分子拡散特性から脳組織構造描出を実現する有力な脳イメージング技術である。ヒト生体脳計測では、限られた撮像時間で多方向の傾斜磁場(MPG)を印加してデータ取得する必要上、画像の解像度を優先できず、歪みが不可避な高速撮像を用いる。この画像歪みはMPG条件にも影響を及ぼすことから、本研究では、(1)MPGの重要なパラメーターであるb値・印加軸の実効値を正確に見積もる新手法を開発し、(2)これにより実現する高精度DWIデータに複数の超解像技術を展開することで、サブミリ単位のヒト生体脳DWI計測を実現する。 本年度は、前年度に開発した(1)に関するアルゴリズムの妥当性を主に評価した。その結果、傾斜磁場の非線形性に起因するMPG条件の理論値と実効値との乖離が乗算的に作用するのに対し、静磁場不均一に起因する同乖離は加算的に作用する可能性が考えられた。また、前者が高いb値ほど大きな影響が現れるのに対し、後者は比較的低いb値で影響が現れる可能性が考えられた。その他、両者の相互作用の検討、後者の実効値への影響のより詳細な検討が必要なことが明らかになった。 上記と並行して、複数の超解像技術適用のためのアルゴリズムの一部について、基礎的検討を行った。 次年度では、(1)に関して新たに浮上した検討事案の解決に早急に当たるとともに、一部で基礎的検討を行った超解像技術適用のためのアルゴリズムを全体に展開し、実データに適用することで、本研究の最終目的である(2)の実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MPG条件の理論値と実効値との乖離の要因となる傾斜磁場の非線形性と静磁場不均一の内、後者については、取得した画像内での相対的な影響は見積もれているものの、その実効値への絶対的な影響を見積もり切れない状況にある。これを見積もれるようにするための追加の実験や評価が必要であり、この検討に準備の時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で触れたように、静磁場不均一に起因する、MPG条件の理論値と実効値と乖離は加算的に作用する可能性が考えられている。このことは、十分に高いb値を用いれば、この乖離が誤差項としてほぼ無視できる可能性があることを意味している。生理学研究所では、本研究で用いている7テスラMRIスキャナーよりも非常に強力なb値を付与できる3テスラMRIスキャナーが本年度末に新たに導入されたことから、研究遂行の支障となっている問題の解決に当たるために、このスキャナーも本研究に用いることで、研究を推進する予定である。
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