研究課題/領域番号 |
22K12810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
名和 靖矩 関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (20753057)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ラマン散乱顕微鏡 / 高分解能 / 超解像 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ラマン散乱顕微鏡の高分解能化と、生体機能のより詳細な描画を目的とする。開発する顕微鏡では、生体試料中に混在する多種多様な分子種からの信号を、高い分解能で検出する。そのため、生体機能を反映する、より多くの分子種と分子状態を、分離して計測できる。また、生体機能が発現している状態を計測するための高速撮像を可能とする。上記性能を実現する顕微鏡技術を開発・実装し、生体試料の計測を行う。計測された生体機能は、複数の異なる計測手法による計測結果と比較することで、検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、ラマン散乱顕微鏡の高分解能化と、生体機能のより詳細な解析を目的とする。そのため高分解能かつ高速な顕微鏡技術を開発・実装し、生体試料の計測を行う。微小空間で生じる生体現象を高い波数分解能で計測することで、近接する分子からのラマン散乱信号を分離・識別することを目指す。 本年度は、昨年度に試作した装置に二つの自動回転ステージを導入し、焦点位置をx-yの二次元方向に走査できるイメージングシステムを構築した。本装置において、ラマン散乱スペクトルが検出できることを確認している。焦点位置の走査とラマンスペクトルの取得及び保存を同期して行うための制御ソフトを自作し、イメージングが行えることを確認した。また、本装置は簡単なレンズの追加と取外しを行うことにより照明パターンを変更する事ができ、様々なイメージング方法が適用できる。シリンドリカルレンズを用いることで、ライン状の照明パターンが形成でき、照明されたライン状の領域からのラマン散乱を同時に検出できる。イメージングを行う際は、ラインに対して垂直な方向に照明パターンを走査するだけでよいため、高速観察が可能である。通常のレンズやマイクロレンズアレイを用いることで、単一/多焦点での照明も可能である。現在は、エタノールやビーズ試料の観察を行い、信号対雑音比および空間/波数分解能の評価を行っている。信号のスループットが不十分であり、波数域や試料によっては信号対雑音比を向上する必要があるため、高分解能化技術の導入を試みるとともに、表面プラズモンを利用した信号増幅効果の利用を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自身の所属異動により、当初予定していた高分解能化技術を実装するためのイメージング装置の構築、制御/解析ソフトの作成、および信号対雑音比の改善に時間を要しており、原理検証が計画より遅延しているため。
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今後の研究の推進方策 |
構築したイメージング装置を用いて高分解能化技術の実装及びアプリケーション開発を進める。まずは蛍光信号による原理検証実験を進め、ラマン散乱イメージングへの応用を行う。また、表面プラズモンによる信号の増幅効果を利用することで、感度の向上を試みる。
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