研究課題/領域番号 |
22K12811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
水野 敏秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40426515)
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研究分担者 |
西中 知博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (00256570)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胎児 / 胎盤 / 呼吸不全 / 人工胎盤 / 人工子宮 / 人工胎盤-人工子宮システム / ECMO / 早産胎児 / 内分泌系調節 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児の呼吸・循環管理法として人工胎盤-人工子宮システムの開発を行う。本システムは「人工子宮」とECMO回路を応用した「人工胎盤」を用いて、新生児に肺呼吸をさせることなく、臍帯動静脈を介して血液のガス交換を行うことを目的としている。本システムを用いた成育管理中には細菌感染の防止法、内分泌関連病態の管理法を含む全身状態の管理法等において未解決の課題を有している。本研究では、これらの課題解決のための細菌感染防止を目的とした人工羊水循環・交換法の開発、内分泌関連を含む全身性の病態の研究、およびこれらの知見から人工胎盤-人工子宮システム開発ならびに同システム使用時の全身状態管理法に関する研究開発を行う。
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研究実績の概要 |
早産児および重症呼吸障害児における救命率向上を目指し,新生児の呼吸循環管理を行う人工胎盤-人工子宮システムの開発を行っている.本システムは人工羊水を充填する保育用の人工子宮システムとECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)システムを応用した新生児血液のガス交換機能を有する人工胎盤システムにより,早産児等において肺呼吸させることなく娩出後の保育を可能とすることを目的としている.本年度は人工子宮システムの開発に取り組んだ.先行研究における人工子宮システムの開発においては,保育管理中の新生児の細菌感染など人工羊水を含む人工子宮システムの衛生状態の管理が課題としてあげられている.人工羊水の再利用をせず,適宜交換することで人工羊水の汚染等を抑制し,人工子宮システムの衛生状態を維持する等の方法が研究されたが,衛生状態管理の限界,大量の人工羊水の調整とその頻繁な交換の必要性等の課題を有していた.本研究では,人工羊水を灌流させ,汚染物等を沈殿させるサンプおよび紫外線照射装置等を用いた人工羊水浄化装置を追加した新規人工子宮システムの構築に取り組んでいる.人工羊水浄化装置は複数個の連続するサンプより構成し,部分的なサンプの交換によって効率的に人工羊水内の汚染物を除去することを可能とし,紫外線照射により羊水中の感染を低減させることなどによって,より効果的な衛生管理が可能となることが期待される.今後,人工羊水浄化装置を付加した新規人工子宮システムシステムの構築を行い,性能評価等の研究によって有効な仕様の検討を行う.また,人工子宮システムの管理方法と生理学的・病理学的影響・効果等の検討を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人工胎盤システム使用中の全身性病態における人工胎盤側の循環動態的因子を検討すべく,臍帯動脈-静脈バイパス方式による人工胎盤が循環動態に与える影響と制御法に関して模擬循環回路を用いた検討を行っている.また,サンプと紫外線照射装置等から構成される人工羊水浄化装置を付加した人工子宮システムの構築に取り組んだ.人工羊水浄化装置を付加した人工子宮システムの製作・性能評価等の研究は未達となり,今後推進する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
人工胎盤-人工子宮システムにおける,サンプと紫外線照射装置等から構成される人工羊水浄化装置を付加した人工子宮システムの性能評価等の研究によって,有効な仕様の検討を行う.また,人工子宮システムの管理方法と生理学的・病理学的影響・効果等を検討する. ECMOシステムを応用した人工胎盤システムについては,模擬循環回路による試験,動物実験による生体内試験等による検討によって,全身性病態と全身管理法,有効なシステム仕様,並びに生体へ影響と課題への対応策に関する研究を推進する.
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