研究課題/領域番号 |
22K12812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
梅木 昭秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (60596344)
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研究分担者 |
西中 知博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (00256570)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 補助人工心臓 / 脱血管装着位置 / 補助循環 / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では補助人工心臓左室脱血管の解剖学的位置、脱血管性状の観点から補助人工心臓の最適な装着法を探ることを目的とし、数値流体力学による心室内血流シミュレーション、模擬循環回路による心室内血流評価、動物実験による血行動態や心機能評価、心室壁干渉など多角的な評価方法を組み合わせて検証することで、最適と思われる装着法を導き出す。最終的には患者に応じて最適な左室脱血管装着法の術前提示と術後評価を可能にするシステムを開発することを目指す。
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研究実績の概要 |
補助人工心臓は重症心不全治療において重要な治療手段の一つである。本研究では、多角的な科学的検証に基づいて、左室脱血管に関連する脱血不良、血栓塞栓症、溶血等の重大な合併症抑止と循環補助効率を両立する最適な装着法、およびそれを反映した左室脱血システム開発へと推進することを目的としている。 補助人工心臓左室脱血管装着法を規定する各種因子に関する研究を行うべく、左室心尖部における解剖学的な脱血管挿入方向、脱血管先端の左室内位置、及び左室脱血管の径と左室内流れ、左室壁せん断応力の関係性に関して、左心室モデルをCT撮影画像(動物)からComputer Aided Designソフトウエアにて作製し、これを用いて数値流体計算法によって検討を行った。 大動脈弁方向への脱血管挿入では、左室壁せん断応力は比較的均等となり、脱血管や左室中隔側を回り込むwash out flowが豊富にみられるなど流れが均等化する傾向にあった。僧帽弁方向への脱血管挿入では、直ぐに大部分の僧帽弁からの流れが脱血管に流入する一方で、脱血管や中隔側を回り込む流れが乏しく、左室壁せん断応力は自由壁側で高くなり、全体として流れが不均一になる傾向にあった。左室脱血管の左室内での挿入深度は僧帽弁からの流れの方向性と中隔側の流れに影響を与える傾向を認めた。左室脱血管の径は管内速度、脱血圧、左室内の流れの均等度に影響を与える傾向を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
補助人工心臓左室脱血管の科学的な検証に基づく最適な装着法の開発に向けて、補助人工心臓左室脱血管装着法を規定する各種因子に関する研究として、数値流体計算法による左室内流れ、左室壁せん断応力に関する検討を行っており、概ね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
数値流体計算法、実体モデル、動物実験等を用いた研究によって、補助人工心臓左室脱血管装着法を規定する各種因子の研究を推進する。左室内流れ、左室壁せん断応力、及び心拍動による形態変化、循環動態、心機能等による影響、並びに各種因子による生体反応等の多角的な方面からの研究を推進する。
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