研究課題/領域番号 |
22K12815
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
橋本 朋子 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (10589930)
|
研究分担者 |
山岡 哲二 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (50243126)
玉田 靖 信州大学, 学術研究院繊維学系, 特任教授 (70370666)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 吸収性 / 高分子バイオマテリアル / ノンラベル / 吸収性高分子バイオマテリアル / ノンラベル検出 / 体内挙動 / ラベルフリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、飛行時間型二次イオン質量分析計を利用し、体内での高分子の分解・吸収挙動をノンラベルで直接検出、炎症への影響の有無や材料物性との関連性を解明することにより、更に優れた吸収性バイオマテリアル開発の設計指針獲得を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究課題では、代表的な吸収性高分子バイオマテリアルであるポリ-L-乳酸(PLLA)、および乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)を用い、アニーリングの有無・その時間などの処理条件を変えて得られたフィルムを用いて評価を進めている。今年度は、PLGAサンプルとして、新たに組成と分子量が異なる材料を追加し、比較検討を行った。得られた各処理フィルムの構造解析として、これまで行っていたATR-FTIRスペクトル測定に加え、XRDによる評価を行い、各材料の表面近傍の分子状態、結晶性を調べた。 作製した結晶性が異なるPLLAフィルム、PLGAフィルム、およびPLGA製の縫合糸をリン酸緩衝液や培地中に浸漬し、所定日数経過後にサンプルおよび上清を回収した。回収したサンプルは重量測定し、分解産物・溶出した高分子が含まれる上清は各解析に供した。各材料からの分解産物の分子量測定では、分解フラグメントパターンの差異について新たな知見が得られた。またさらにin vivo評価として、各フィルムのSDラット皮下への埋入実験を行った。所定日数経過後、サンプルと周辺組織を回収、組織切片を作製・染色・観察し、各サンプルが周囲組織に与える影響について調べた。これまでの評価結果より、各材料が分解を受けて産生される分解産物は材料表面の結晶性の差異により分子量が異なり、それら分解産物は接した細胞や材料周辺組織に異なる影響を与える可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結晶性の異なる吸収性高分子バイオマテリアルのフラグメントパターン検出において、回収条件の検討により少し検出範囲を拡大することができている。また、異なるフラグメントサイズが細胞増殖・材料周辺組織に与える影響などについて知見が得られており、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、ポリ乳酸などのポリエステル系、またシルクフィブロインを追加して、各高分子バイオマテリアルの、in vitro、in vivoでの分解・吸収特性と、各分解フラグメントが与える細胞・組織への影響について、評価を進める。またさらにバルク全体の結晶性もあわせて調べ、分解・吸収挙動や分解産物との関連性について知見を得る。
|