研究課題/領域番号 |
22K12817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 耕一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (00436172)
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研究分担者 |
原 進 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00536956)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 水晶体 / 白内障 / 薬物療法 / ヒトiPS |
研究開始時の研究の概要 |
眼の水晶体が混濁し失明に至る白内障は80歳を超えるとほぼ100%罹患する。現在、眼内レンズを挿入する外科的治療法以外に白内障を治療する手段は存在しない。本研究では、ヒトiPS細胞由来の眼オルガノイド白内障モデルを用いた白内障治療薬のナノ結晶点眼液の有効性を検証する。ヒトiPS細胞由来白内障モデルの作製には、我々 の研究グループが独自に開発したヒトiPS細胞由来2次元オルガノイド(SEAM)を用いる。白内障治療薬ナノ結晶点眼液は我々の独自技術を用いて作製する。ヒトiPS細胞由来の眼オルガノイドの白内障モデルを用いて、白内障治療薬ナノ結晶点眼液の治癒効果を検証する。
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研究実績の概要 |
研究テーマは眼オルガノイド白内障モデルを用いた白内障治療薬ナノ結晶点眼液の有効性の検証である。白内障は遺伝や加齢等が原因となり発症する疾患であるが、加齢が主たる原因とされる。現行の白内障の治療法は、混濁した水晶体を眼内レンズに置き換える外科的治療法しか存在しない。その為、新たに薬物療法の開発ができれば治療方法の選択肢を広げることができ画期的なこととなる。その実現に向けて、ヒトの細胞を用いた効果的な評価系の構築が必要である。我々はヒトiPS細胞を用いた水晶体の作製にあたり、我々の研究グループが独自開発した眼オルガノイドの作製法、SEAM法を用いた。培養条件を整えることで、従来的培養方法よりも、水晶体サイズと水晶体発生率を高めた水晶体オルガノイドを作ることができた。ところで生体での水晶体の発生は、後に角膜となる表皮外胚葉と後に網膜となる眼胞が接触し形成される水晶体プラコードから起こる。そのプラコードから水晶体上皮細胞および水晶体上皮細胞が分化した水晶体線維細胞が規則性をもって発生し水晶体が形成される。この度我々は水晶体プラコード形成から水晶体発生・成長において重要な働きをする遺伝子に注目した。SEAM上の水晶体形成においてPCRや免疫染色等により当該遺伝子及びタンパク質の発現を確認した。また本遺伝子は水晶体上皮幹細胞とも関わりがあると推測しており、水晶体上皮幹細胞と白内障との関係性を新たにする知見を得られる可能性も考えている。また白内障治療薬の候補となるナノ結晶点眼液の最適化についても検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト水晶体における白内障の評価モデルの構築が必要であるが、今現在において、ヒトiPS細胞から水晶体オルガノイドを効果的に誘導できる方法の検討が比較的進んでいること。水晶体オルガノイドの形成において新たに注目した関連遺伝子・タンパク質の解析を行っていること。ナノ結晶点眼液の開発の最適化条件の検証を行っていること。これらのことよりおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ヒトiPS細胞から水晶体オルガノイドを効果的に誘導できる方法の検討と最適化を進める。また水晶体オルガノイドの形成において新たに注目した関連遺伝子・タンパク質の解析を進める。ナノ結晶点眼液の開発の最適化条件の検証を進める。
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