研究課題/領域番号 |
22K12821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
成田 貴行 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (30423560)
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研究分担者 |
青木 茂久 佐賀大学, 医学部, 教授 (10448441)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コラーゲン / 磁性粒子 / 粒子形態 / 意図的配置 / 細胞接着 / 細胞外マトリックス / 組織化 / 刺激応答 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者が見出した、刺激を用いてコラーゲンの形態を自己組織化し形態をピン止めする技術、「形態形成ゲル化法」と研究協力者の高密度のコラーゲン線維で形成されるゲル「コラーゲンビトリゲル」に磁性体を結合させた「磁性コラーゲンビトリゲル」を利用し、ECM担体となる「磁性コラーゲンビトリゲル」の「複数刺激(力場、熱、電場)による影響」を明らかにし、細胞及び組織をコントロールするための「細胞足場材」としての有効性を明確にする。
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研究実績の概要 |
任意部分への意図的配置が可能なコラーゲン磁性粒子の調製」を目的とし、「コラーゲン磁性粒子の調製方法の確立」と「コラーゲン磁性粒子のサイズ制御」、及び「コラーゲン磁性粒子の磁性シートへの吸着容態」について検討した。 コラーゲン溶液の酸化鉄微粒子分散からコラーゲン磁性粒子を噴霧乾燥造粒法によって調製した。調製したコラーゲン磁性粒子のSEM観察から、粒子表面には5 μm程の無数の凹凸が観察された。酸化鉄粒子は膜状のコラーゲンに被覆されており、コラーゲンが酸化鉄粒子を均一に包埋していることが明らかになった。コラーゲン溶液濃度の上昇に伴い粘度が増加することと、粒径が増加し、コラーゲン磁性粒子形態のコントロールが可能になった。コラーゲン磁性粒子を付着させた磁性シートを作成した場合、コラーゲン磁性粒子は、磁性シートの枠線からいくらか逸脱して付着しており、この逸脱により生じた凸凹な稜線は、濃度が高いコラーゲン溶液で調製したコラーゲン磁性粒子を付着させた時、その凹凸度合が激しくなった。コラーゲン磁性粒子が小さいほど高い精度の配置が可能になった。細胞接着させたコラーゲン磁性粒子をセラミックス基盤上に播種したところ調製された粒子は細胞足場として十分機能していることが示された。水中で交流磁場を磁性シート及び調製したコラーゲン磁性粒子に与えると、非接触でローレンツ力に伴う小刻みな振動を観察できた。関連実験としてpH環境の異なる条件での細胞足場の膨潤率、接触角測定法を用いたコラーゲンシートの親疎水性の評価、UV照射によるコラーゲンゲルの弾性変化についても知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R4年度は磁場変調装置の作成とコラーゲン構造と物性評価を行い、磁性コラーゲン担体の作製する予定であった。 前者では低周波パルス磁場装置の作成、粘度および弾性の評価を行った。またゲル化度を調整するために紫外線を利用して構造と物性を変えた。形態形成ゲル化法による構造固定条件を探索した。後者では遠隔操作性の至適化、機能を損なわない磁性コラーゲン担体の調製、細胞被覆磁性コラーゲン担体を得た。また移動および空間パターン化が可能な磁性微粒子の選定と濃度の設定をおこなった。計画と遜色ない状況で研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
①磁性微粒子を含有したコラーゲン溶液からワンポッドで中空担体を形成できる形態形成ゲル化条件の模索を行う。 ②細胞内包磁性コラーゲン担体を用いて、移動操作の最適化、細胞が接着・伸展・増殖するための最適細胞足場条件を見出す。蛍光顕微観察で細胞の生育性を確認する。遠隔操作性の至適化について検討する。 ③粒子形態に拘ることなく、ハニカム形態のコラーゲンエアロゲルを細胞担体にして細胞の生育状態を検討する。 ④様々な形態の細胞足場に対して接着した細胞にバルス電磁界での刺激を行いその状態を比較検討する。
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