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分泌ラミニンと入れ替わる唾液線オルガノイド培養プラットフォームの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12825
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90120:生体材料学関連
研究機関至学館大学

研究代表者

保住 建太郎  至学館大学, 健康科学部, 教授 (10453804)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードラミニン / 基底膜 / 細胞外マトリックス / 細胞接着 / ペプチド / キトサン / 合成ペプチド / 細胞培養基材 / 細胞培養器材
研究開始時の研究の概要

薄膜状の細胞外マトリックスである基底膜は、発生時の器官形成やオルガノイド誘導に必須で、器官を取り囲むように形成される。本研究では、基底膜の主要成分で、これまでに19種類のアイソフォームが同定されてきたラミニン三重鎖トリプルヘリックス(LM-TH)の変遷を、新たに抗体を作製することで明らかにすることを目的としている。本研究目的の達成に向け、1 LM-TH構造を認識する抗LM-TH抗体の作製、2 LM-TH結合ペプチドの同定、3 分泌LM-TH変遷の解明、4 オルガノイドLM-TH置換メカニズムの解明を行う。

研究実績の概要

唾液腺や乳腺、腎臓などの器官発生プロセスでは、線維芽細胞をはじめとする間葉系細胞と、これらの細胞が分泌する細胞外マトリックスを主体とする間葉組織に、上皮系細胞が貫入していくことによって形成される。上皮系細胞貫入時の器官原基周囲は非常に薄い細胞外マトリックスである基底膜が形成される。基底膜の組成は発生の各ステージや組織によって異なる。基底膜の主要な構成成分で細胞外マトリックスタンパク質の一種であるラミニンは、基底膜タンパク質中で最も多くのアイソフォームを有していることから、基底膜の組成と機能の多様性はラミニンによっている可能性が高い。本研究計画はラミニンに注目し、腺組織原基の発生・分化に適した細胞外環境の基質特性を解明し、唾液腺細胞や各種幹細胞を始めとした細胞分化の誘導を可能とする細胞培養プラットフォームとしてのラミニン由来活性ペプチド-キトサンハイドロゲルの開発を目的としている。
令和五年度は本研究計画で得られた結果のうち、主に細胞培養プラットフォームの開発に関する研究で得られた成果を学会発表として報告した。ラミニン由来の細胞接着活性ペプチド・キトサン・ジカルボン酸を混合・架橋化することで作製するラミニン由来活性ペプチド-ジカルボン酸-キトサンハイドロゲルは、架橋化試薬としてDMTMMを用いるとワンポッドの簡易な操作で反応が進行することが可能となった。またキトサンハイドロゲルに固定化するラミニン由来ペプチドを特異的な受容体に結合する異なる細胞接着活性ペプチドとしたところ、固定化した活性ペプチドに応じてペプチドの特性を有する細胞培養プラットフォームとすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和五年度は、当初の予定通り細胞培養プラットフォームの開発に関する研究とラミニンヘテロトライマー領域の組み換えタンパク質発現系の開発の研究に関して行った。
細胞培養プラットフォームの開発に関する研究では、ラミニン由来の細胞接着活性ペプチド・キトサン・ジカルボン酸を混合し架橋化反応を進行させ作成するラミニン由来活性ペプチド-ジカルボン酸-キトサンハイドロゲルは、架橋化試薬としてDMTMMを用いるとワンポッドの簡易な操作でのゲル化法開発に関する検証を主に行った。DMTMMによる架橋化には細胞接着活性ペプチド・キトサン・ジカルボン酸溶液のpH制御が非常に重要であることがわかり、水溶液のpHと架橋下の進行に関して五種類のジカルボン酸に関してそれぞれ架橋化が可能かつ、不溶性の沈殿物を生じないpHに関して最適化を行った。
ラミニンヘテロトライマー領域の組み換えタンパク質発現系の開発の研究に関しては、アルファ鎖、ベータ鎖、ガンマ鎖のヘテロトライマーそれぞれの発現タンパク質を異なるタグで精製・会合させることがキーポイントとなり、会合条件の解析には重要であると考えている。そこで、令和五年度は異なるタグを用いたラミニンヘテロトライマー領域の組み換えタンパク質発現の開発を行った。15種類あるうちの一つの組み合わせとなるアルファ1鎖、ベータ1鎖、ガンマ1鎖からなるラミニン-111のヘテロトライマー領域に関してはタンパク質の発現、会合を確認することができた。また、これらを別々に架橋したキトサンを作成し混合すると、キトサン同士を架橋化することなく、ヘテロトライマー領域-キトサンを混合するだけでキトサンが会合することが新たにわかった。
また、研究費に関しては、ほぼ計画通りに執行・利用した

今後の研究の推進方策

細胞外マトリックスは細胞-細胞外マトリックスだけでなく、細胞外マトリックス-細胞外マトリックス相互作用からなるゲル状構築物を形成する。このことから、培養プラットフォームの特性には、培養細胞から分泌される内因性細胞外マトリックス分子との相互作用も重用なファクターとして取り入れたほうが良い可能性は高い。本研究計画では、オルガノイド形成に伴って発生している基底膜中のラミニンのターンオーバーを解析し、得られた知見を活用することでオルガノイド培養プラットフォームとして最適化することを目的としている。計画の実行に向けて、「どのタイプのラミニンヘテロトライマー種が、どのような秩序で置換されているか」という問いを明らかにするために、1- ラミニンヘテロトライマー構造を認識する抗体を作製し、分泌ラミニンヘテロトライマーのアイソフォーム変遷を解明し、2-ラミニンヘテロトライマー結合ペプチド同定を目指して実施している。
1の目的達成に向けては、ラミニンヘテロトライマー部分の組み換えタンパク質を用意することができたため、令和6年度も引き続き抗体作成をすすめる。また、ヘテロトライマー領域を認識する抗体の選別にはモノマーおよびダイマーを認識する抗体は省く必要がある。そこで、選別用のモノマーとダイマーの作成をおこなっていく。
2の目的達成に向けては、ペプチドの化学合成がほぼ施設内で可能となったことから、昨年度から引き続きラミニンヘテロトライマーに結合する細胞外マトリックスタンパク質をラミニン由来合成ペプチドを利用することでスクリーニングする。逆にラミニン由来合成ペプチドに結合する細胞外マトリックスタンパク質に関しても検討を進めていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] National Institutes of Health(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PEPTIDE-CHITOSAN-DICARBOXYLIC ACID CROSSLINKED HYDROGEL PROMOTES CELL ATTACHMENT ACTIVITIES2023

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Hozumi, Chie Takahashi, and Motoyoshi Nomizu
    • 学会等名
      60th Japanese Peptide Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ジカルボン酸で架橋したペプチド-キトサンマトリックスの細胞接着活性2023

    • 著者名/発表者名
      保住建太郎、高橋知衣、野水基義
    • 学会等名
      第55回日本結合組織学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グルタミン酸とジカルボン酸で架橋した 細胞培養に利用可能なキトサンハイドロゲルの開発2022

    • 著者名/発表者名
      保住建太郎、髙橋知衣、野水基義
    • 学会等名
      第71回高分子討論会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] RGD peptide and glutamic acid crosslinked chitosan hydrogel promotes salivary gland cell acinar formation2022

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Hozumi, Chie Takahashi, Motoyoshi Nomizu
    • 学会等名
      Cell Bio 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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