研究課題/領域番号 |
22K12826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
金山 拓亮 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60898005)
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研究分担者 |
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50226247)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脱細胞 / 小口径グラフト / 冠動脈バイパス術 / 再細胞化 |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈バイパス術(CABG)を低侵襲化するために他家小口径グラフト技術の開発が急務である。本研究では他家グラフトで課題となる 「免疫反応」について脱細胞化に着目し免疫原性の低下を図り、「開存性の低さ」についてヘパリン-ゼラチングラフトコーティング下でのブタ血管内皮細胞播種にて開存性の向上を目指す。そのため本課題はブタ頸動脈由来脱細胞化小口径グラフト作成のプロトコールの確立と、臨床応用を想定した大動物(ブタ)によるCABG手術下での開存性を明らかにし、臨床 病理学的に評価を行う。本研究はCABG手術を低侵襲化することができ、より優れた治療を多くの患者に提供することができるようになる。
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研究実績の概要 |
冠動脈バイパス術(CABG)は優れた成績が報告されているが、異所性自家グラフトは採取する際の侵襲が大きく、グラフトの状態によっては使用困難な場合もある。また完全内視鏡下CABGでも優れた成績が散見され、我々の教室でも小切開下CABGを開始しており、今後低侵襲手術がCABG手術の主流となることに疑いの余地はない。CABG手術をより多く低侵襲で提供するために他家小口径ロンググラフト技術の開発が急務である。 他家小口径ロンググラフトでは、「①免疫反応」、「②開存性の低さ」の課題があり、未だ確立した技術はなく、さらに他家小口径ロンググラフトのCABG手術下での使用と検討が行われている論文は極めて少ない。そこで本研究では、これらの課題を克服可能とするために、他家由来の生体脱細胞化血管グラフト作製のプロトコール確立と、臨床応用を想定した大動物(ブタ)CABG手術での開存性を明らかにする。 他家グラフトで課題となる「免疫反応」について摘出した臓器から細胞だけを除去し残された線維性タンパク質や成長因子から成る細胞外マトリックス骨格を生成する脱細胞化に着目し免疫原性の低下を図る。「開存性の低さ」については脱細胞化グラフトのコラーゲンの露出による易血栓作用が既に知られているため、血栓性コーティングに、我々が注目しているヘパリンーゼラチングラフトコーティング下でのブタ血管内皮細胞の再細胞化を行い開存性の向上を目指す。また生体マテリアルについては、汎用性の高いブタ頸動脈を選択した。作成したグラフトを病理組織検査・力学的検査にて検証する。ヒトと生体構造が近いブタを使用し、off-pump CABG手術下で開存性を検討する。左前下行枝に末梢吻合を行い、中枢側を結紮することにより心筋梗塞モデルを作成し、3日後、7日後、14日後に冠動脈造影で血流を評価し、摘出したグラフトの病理学的評価を詳細に行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グラフトへの再細胞化のプロトコールの確立を目指した。グラフトへの再細胞化については静置培養と動的培養という2種類の方法があるため、それらを検討した。静的培養では、ブタ血管内皮細胞をグラフトの血管に播種し、両端をクランプして、24時間静置培養を行った。次に、移植血管を180度回転させ、同量のブタ血管内皮細胞を同様に播種した。24時間培養後、移植血管を脱クランプし、培地に浸漬して10日間培養した。培地は2日おきに交換した。動的培養では、静的培養と同様にして、2日間かけて細胞播種を行った。その後、グラフトを我々独自のバイオリアクターシステムに装着し、培養液を還流させながら合計10日間培養した。還流速度は、徐々に増やして最大60ml/hにて還流させた。 病理学的評価を行うと静的培養では細胞が積み上がるように播種されたのに対し、動的培養ではが単層膜状に均一にグラフト表面に生着していた。CABG手術に使用したグラフト血管は、動的培養法で調製したものを使用することとし、グラフト作成のプロトコールを確立した。 今年度ではブタへのCABG手術下での移植は3匹行われた。いずれも術中に致死的不整脈など起こすことなく終えた。1匹は帰室後、突然の呼吸不全から心停止となった。その他2匹は術後3日目、10日目まで生存した。移植後3日目にの冠動脈造影では狭窄所見はなく、さらに吻合末梢側のLADは良好に描出された。術後の術後1週間後の冠動脈CTでは、グラフトに血栓よる造影欠損はなく、良好に描出された。術後10日目に採取したグラフトの内腔は血栓を認めず滑らかで中枢吻合部、末梢吻合部、管腔内のいずれにも狭窄が見られなかった。現在論文作成中
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今後の研究の推進方策 |
実験結果について論文発表、学会発表の準備を行う。可能であればn数をさらに増やし、我々が作成したグ ラフトの開存性について評価していく。
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