研究課題/領域番号 |
22K12835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川村 和也 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (50449336)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
三浦 智 東京工業大学, 工学院, 准教授 (70724566)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | シミュレーション / 術空間再現 / 操作性評価 / ロボット / 小児外科 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は,仮想空間を利用して小児外科手術を支援するロボットの大きさや形状,動作方法などを検証することを目的としている.まず,仮想空間上に再現したロボットを利用して,小児外科医に協力してもらい,どのように操作することが手術に適しているのかを計測する.その計測結果に基づいて,手術に適した機構を推定する.この推定結果を利用して再度計測するというように循環的に操作計測試験を実施する.その後,簡易的な試作等を行うことで実現可能性について検証し,本研究課題で提案する手法の効果を評価する.
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研究実績の概要 |
本研究課題は,仮想空間を利用して小児外科手術を支援するロボットの大きさや形状,動作方法などを検証することを目的としている.小児内視鏡手術は,成長後の障害をきたしづらい手段として症例数が増加する中,微細な動作を可能とするロボット術具の導入が期待されている.しかし,解剖や疾患の特異性から機器導入に伴う課題が多く,その性能を十分に活かす機能や形状の設計が難しい.特に,手術特有の環境に適応しつつ使いやすさを維持することが難しい.本研究では,開発を進めている術空間再現シミュレータの機能拡張,医師の操作に基づく設計値の最適化,この最適化の効果検証を順次進めている. 本年度は,昨年度実施した検討した内容を踏まえて,VR環境の構築ならびにそれを用いた針掛け操作を対象とした操作試験を実施した.VR環境構築では,CADソフトウェアで設計したデータを移行できる機能等の追加を行い,鉗子先端構造の違いによる操作性の変化を検証できるようにした.また,本研究で対象とするロボットシステムは,医師が操作するリーダフォロワ型のシステムを想定しているため,ヒューマンインターフェースも検証要素となる.このインタフェースの違いによる手術手技への影響を検証するため,ディスプレイと操作具の組み合わせを2種類ずつ使用できるように変更を加えた.本システムを用いて,小児外科医の協力のもと画面奥行き方向の針掛けタスクを実施し,操作に対して生じる影響を計測し,機構や操作インタフェースの違いによる影響を検証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,昨年度の検討結果に基づき,VR環境に必要な拡張機能を構築し,操作性検証試験を実施した.申請時は先天性食道閉鎖症を対象としていたが,共同研究者である小児外科医とのディスカッションから,先天性胆道拡張症へと対象を変更することとした.ロボット適用をより望まれる治療法であるとともに,運針方向が前症例と方向が変わるのみであったことから,手技変更への対応を実施した.進捗状況としては,VR環境の拡張とそれを利用した操作性検証試験を実施し,ロボット鉗子の先端構造の違い,操作インタフェースの違いによる手技への影響を計測できた,これらのことからおおむね順調に進んでいると考える.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,小児外科医の協力のもとで計測した,動作の評価値(鉗子と患部や周辺臓器との干渉量,鉗子の動作範囲,左右の鉗子同士の干渉量)の計測,視野情報の評価値(鉗子先端部の遮蔽量,作業空間に対する視野阻害量)を元に,多変量解析等を行い,医師の操作に基づく設計値の最適化を実施する.また,試験実施後に取得したアンケート調査などの使用感評価の結果の解析を行い,実験条件や機構設計値に関する検証を実施する.そして,使用感評価ならびに数値計算等で得られた最適化結果を適用した機構を用いて操作検証を再度行う.小児外科医の協力のもと手技を模したタスクを実施し,本研究で提案する手法の有効性を評価する.また,操作インタフェースについては,タスクの実施しやすさや操作のしやすいさといったユーザ視点で要求される仕様を明確化することで,試作を進めていく.操作試験については,昨年度と同様共同研究先での実施を予定している.
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