研究課題/領域番号 |
22K12857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高木 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20771885)
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研究分担者 |
伊藤 一陽 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50963964)
田村 和輝 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (40822614)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 超音波治療技術 / 病理組織解析技術 / 臓器音響解析技術 / 光学計測技術 / 超音波診断技術 / 強力集束超音波治療 / 超音波計測 / 病理解析 / 音響インピーダンス / 音速測定 |
研究開始時の研究の概要 |
強力集束超音波治療における、生体内治療領域を非侵襲に検出する手段として、超音波診断装置がある。超音波診断技術を用いた治療領域検出において、臓器の違いによって、検出感度が異なる、または、検出が不可能になる、という課題がある。その理由は、臓器によって、治療による組織構造変化が異なること、音速等の音響パラメータが異なること等が挙げられる。そこで、本研究課題では、超音波による治療領域の空間(位置)情報を超音波画像と光学画像とで対応させる実験評価系を構築し、さらに、空間的に対応づけた、病理解析も同時に行うことで、臓器によらず、組織構造変化のみを検出する超音波診断技術を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、強力集束超音波(High-Intensity Focused Ultrasound:HIFU)治療における組織内の生体変化(たんぱく凝固、弾性率、音響インピーダンス等の変化)に伴う光学画像・病理画像・超音波画像の変化を多角的にとらえることで臓器ごとの組織臓器間の違いを明らかにすることである。HIFU治療は、体を切らずに体外から超音波を照射することでがん等の腫瘍を選択的に温度上昇させることで加熱壊死させる治療である。一方、強力なエネルギーを持つHIFUの生体作用により、生体内の組織構造がどのように変化するか、また、生体組織構造の臓器依存性等があるか否かは等は明らかになっていない。本研究により、HIFUによる生体組織変化(音速、音響インピーダンス、弾性率、粘性率等)を光学・病理・超音波によって計測することで、今まで明らかになっていなかったHIFUによる様々な生体変化を体系的に明らかにすることができ、HIFU治療の治療効果等を非侵襲に計測する新しい手法等の提案を期待できる。 2023年度は、研究実施計画に従い、HIFU治療とその生体作用を超音波診断により同時計測できるシステムの開発を行った。また、研究分担者は、光学画像と病理画像による計測も行えるシステムも構築した。病理画像計測に関しては、様々な生体組織に対して加熱を行い、その加熱変化による生体組織依存性を計測できる実験系を構築した。「HIFUによる生体作用を光学・病理・超音波計測により多角的かつ体系的に明らかにする」という本研究の最終的な目的に対して、HIFU治療及び計測を同時に可能にする実験系及び解析系を確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度から2年間、独立行政法人医薬品医療機器総合機構への出向が命じられ、主務が出向先の業務となっているため、本研究課題の遂行がやや遅れている。その中でも研究分担者と積極的にコミュニケ―ションをとることで、光学・病理計測の実験系及び解析系を確立することができた。超音波計測系に関しても一定程度、研究を進めることができた。2024年度より出向から帰任して、主務として本研究課題を遂行することが可能なため、特にHIFU治療及び超音波診断系の実験系を最終化して、様々な生体組織に対する計測を実施することで、遅れを取り戻したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度より出向から帰任して、主務として本研究を実施することが可能であることから、これまでの研究の遅れを取り戻したいと考えている。具体的には、まず、これまで別々に構築してきた病理・光学・超音波の計測系を合わせて一つのシステムに統合したいと考えている。その後、様々な生体組織(豚肝臓等)を収集後、HIFUによる生体作用を多角的に計測する実験を実施することを予定している。1つのシステムに統合する際の課題は、光学と超音波計測の計測面、アングル等をどのように合わせていくかが挙げられる。両計測系でアングル合わせが可能な治具等を設計する予定としている。
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