研究課題/領域番号 |
22K12868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
門田 行史 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80382951)
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研究分担者 |
柳橋 達彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10383770)
古川 理恵子 自治医科大学, 医学部, 講師 (30743413)
三谷 忠宏 自治医科大学, 医学部, 助教 (40917043)
中島 振一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60383866)
大貫 良幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (90835993)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ニューロメラニン / 摂食障害 / fMRI / 神経発達症 / MRI / fNIRS |
研究開始時の研究の概要 |
小児注意欠如多動症(ADHD)は、脳内のドーパミン(DA)とノルエピネフリン(NE)機能低下が主病態と考えられているが詳細は未だ不明である。近年目覚ましい発展を遂げている脳機能検査を駆使して小児に対して非侵襲的に黒質のDA機能と青斑核のNE機能の定量化を行いADHDの病態に迫る。具体的には、ADHD群と健常者群を対象に黒質NM・青斑核NEの濃度の変化、機能的脳イメージング計測(fMRI/NIRS)による脳活動の変異、多型解析による遺伝子多型を検証し、ADHDのDA/NE機能低下の原因となる複合的な病態の解明と診断・治療の判断基準となるマーカーを開発する。
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研究実績の概要 |
倫理委員会の手続きが終了し、摂食障害のニューロメラニンMRI計測は4人終了した。目標を15人としている。撮影場所となるとちぎ子ども医療センターにおいて円滑に計測可能な環境整備が終了した。さらに、共同研究者である慶應大学神経精神科は成人を対象にニューロメラニンMRI計測をすすめているため、とちぎ子ども医療センターのデータと比較することで年齢依存性の要因の解明をすすめる。また、今後fMRI計測と同時に行う認知機能課題を作成したため、まずは認知機能課題のみ定型発達児と摂食障害の患者さんへ適応する。現在、約10人の定型発達児に対して認知機能課題の計測を終了している。その他、摂食障害とADHDをはじめとする発達障害との病態比較研究も同時並行ですすめている。ADHDの多様な脳病変を明らかにし摂食障害の併存の有無がADHDの病態に及ぼす影響を検証している。現在は併存しないADHDを対象に光トポグラフィーを用いた脳機能検査をすすめている。具体的には、ADHDの中心的病変とされる前頭前野の機能変化が慢性経過により変化する機序を明らかにする研究をすすめている。2022年までに、薬物治療を継続したADHD患者のうち、症状が改善することを確認しているので、2023年度は、薬剤中止が可能であった症例の脳病変の改善の有無を検証した。これまでの研究では薬剤中止の判断は患者への問診で得られる情報や心理評価のみであったが、今回報告した結果から脳機能変化に基づく薬物中止時期の判断が可能となると推測された(2023年日本ADHD学会優秀口演)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会の審査、ニューロメラニンMRI計測環境の整備と計測の実施、および認知機能課題を用いた検証がすすみつつある。現在、約10人の定型小児例に対して認知機能課題の計測を終了し、摂食障害とADHDをはじめとする発達障害との病態比較研究も同時並行ですすめている。ADHDの研究は順調にすすみ、病態に関連する前頭前野の可塑性の有無について慢性経過から明らかにする研究をすすめている。これまでの研究では薬剤中止の判断は患者への問診で得られる情報や心理評価のみであったが、今回報告した結果から脳機能変化に基づく薬物中止時期の判断が可能となると推測され、2023年日本ADHD学会で共著者が優秀口演を獲得している。
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今後の研究の推進方策 |
ニューロメラニンMRI計測をすすめると同時に、現在定型発達児の計測に使用している認知機能課題を摂食障害の児にも適応する。また、この認知機能課題遂行時にfMRI検査も行う予定である。ニューロメラニンMRI結果、fMRI結果、及び臨床経過から摂食障害の病態解明をすすめる。
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