研究課題/領域番号 |
22K12875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
須田 康一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10348659)
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研究分担者 |
秋元 信吾 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40937124)
宇山 一朗 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60193950)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ロボット支援手術 / 遠隔手術 / hinotoriサージカルロボットシステム / 内視鏡手術支援ロボット / 高速通信 / 遅延 / 胃切除 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は,国産初の実用型内視鏡手術支援ロボットhinotoriサージカルロボットシステム(Medicaroid)を核とした遠隔手術システムを構築することを目的とする.本邦における上部消化管領域のロボット手術をリードしてきた研究分担者(宇山一朗)と研究代表者(須田康一)が,Medicaroid社の開発チームと協力して,Medicaroid Intelligence Laboratory (MIL,本学内のhinotori専用サージカルトレーニング施設)と,藤田医科大学病院手術室1+2番,藤田医科大学岡崎医療センター手術室3番とを光専用回線で結び,遠隔手術のfeasibilityを検証する.
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研究実績の概要 |
本プロジェクトに関連する2022年度の主な進捗は以下のとおりである。 1.当科上部消化管班医師7名を被験者とし、遠隔手術対応のhinotori Surgical Robot System (hinotori)と遅延発生装置を用いて、ドライボックス内での縫合結紮に要する時間をendpointとしてこの遠隔手術システムで許容される遅延の閾値を再度精密に測定した。100msecと125msecの間で有意な縫合結紮時間の延長を認め、このシステムで遠隔手術を行うには少なくとも遅延を100msec以下にする必要があることが明らかとなった。2021年に実施した分院-本院間(30km)でのブタを用いた完全遠隔手術実証実験の結果と合わせて論文報告した(Langenbecks Arch Surg 2022 407 3783-3791)。 2.我々が本学サージカルトレーニングセンターで実施したカダバー、アニマルでの検証実験のデータをもとにhinotoriの製造販売承認を消化器外科に領域拡大を達成した(2022年10月)。2022年11月からhinotoriによる胃癌、大腸癌手術を開始し、2022年3月までに胃切除9例、大腸切除13例を実施した。 3. 2022年12月7日、当科で主催した第35回日本内視鏡外科学会総会で学会会場と本学のMIL名古屋(アニマルトレーニング施設)の間で遠隔手術手技研修を行った。全国から公募した10名のロボット外科医が、遠隔で胃切除、大腸切除を実施した。どの術者もon siteでhinotori手術を執刀するのとの違いを感じず安全に完全遠隔手術を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度はMIL名古屋(本学のhinotori専用アニマルトレーニング施設)にてsurgeon cockpitとoperation unitの間を通常のケーブル(通常モード)およびエンコーダー,デコーダーを介した回路(遠隔モード)の2系統で並列に繋ぎ,2つの系統を容易に切り替えられるようなシステムを構築することが目標であった。通常のケーブルと遠隔モードの切り替え機能はまだ達成されていないものの、遠隔手術支援(現地にいるロボット手術執刀医を遠隔地にいるエキスパートがsurgeon cockpitを介して技術指導する)を実施できるよう、operation unitから任意の距離にある2台のsurgeon cockpitがボタン1つ押すだけで即座に操作権を移行しあえるシステムを構築した。この機能の安全性は、2023年4月7日に東京元赤坂-名古屋(本学)間での完全遠隔手術(ブタを使用)・遠隔手術支援(胃統合モデルを使用)実証実験で確認されたため、次年度、実施状況を報告する。
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今後の研究の推進方策 |
hinotoriの遠隔手術対応機体のPMDA承認に向け、研究計画調書に記載の「本院手術室1+2を用いた胃癌患者に対する擬似遠隔ロボット支援下幽門側胃切除安全性検証」、および「MILと岡崎医療センター手術室3を用いた胃癌患者に対する遠隔ロボット支援下幽門側胃切除安全性検証」を実施すべく準備を進めていく。 遠隔手術実施可能距離を伸ばすため、100Gbpse専用光回線を用いて非圧縮で画像を送受診する方法を確立する。 海外(シンガポールを想定)とMIL名古屋の間で海底ケーブルを介した完全遠隔手術実証実験を行う。
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