研究課題/領域番号 |
22K12879
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
青木 悠祐 沼津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70584259)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 協調診断ロボティクス / 臨床手技計測 / 協調動作 / 疲労解析 / 断層像処理 / 医用ロボティクス / 超音波診断支援ロボティクス / 生体情報計測 / 臨床手技解析 / 人間機械協調 |
研究開始時の研究の概要 |
総合診療領域における超音波検査,POCUS(Point-of-care Ultrasound)への関心が高まっている一方,「プローブ走査技術に熟練を必要とする」「検査者に筋骨格系障害が生じる」課題に対して,プローブ操作者の手技,診断時の肉体的負荷を解析し,断層像と関連付けたデータベースを構築,手技再現・協調検査を可能とするロボットを開発することで,臨床手技のRX(Robotics Transformation)を実現する.これにより,希少な症例を含む,プローブ操作手技と連動した超音波検査データベースが構築でき,研修医教育,症例報告や診断時の負荷軽減といった創発的な活用が期待できる.
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研究実績の概要 |
本研究では,総合診療領域における超音波検査,POCUS(Point-of-care Ultrasound)への関心が高まっている一方,「プローブ走査技術が取得断層像の精度に依存する」「検査者に筋骨格系障害が生じる」課題に対して,熟練者のプローブ操作手技,診断時の肉体的負荷を計測・解析し,取得断層像と関連付けたデータベースを構築,手技再現・協調検査を可能とするロボットを開発することで,臨床手技のRX(Robotics Transformation:ロボット変革)を実現することを目的としている.これにより,希少な症例を含む,プローブ操作手技と連動した超音波検査データベースが構築でき,研修医教育,症例報告や診断時の負荷軽減といった創発的な活用が期待できる.具体的には(i)生体情報計測に基づく熟練者のコツ・感覚レベルでのプローブ操作手技解析,(ii)断層像データベースに基づくロボットによる手技再現・協調診断システムの構築の2点を対象とし,令和4年度は(i)について実施した. まず,肉体的疲労と精神的疲労の関係を考察するために筋電位及び脳波の解析を行った.その結果,従来は筋電位により評価していた肉体的負荷を脳波のスペクトルの平均値で評価できることを示した.また,人とロボットが協調しながら超音波プローブを操作する実験にて,プローブの把持方法,人とロボットの位置関係,ロボットの可操作度が検査者の負荷に与える影響を明らかにした.更に,通常診断において患者の呼吸や体動による断層像変化を補償する体動補償系,取得した断層像からロボット制御量を決定するビジュアルフィードバック系の構築を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的に対する進捗度は以下の通りである. (i)生体情報計測に基づく熟練者のコツ・感覚レベルでのプローブ操作手技解析 プローブ操作軌跡のみならず,プローブ把持方法,操作中の肉体的負荷・精神的負荷を計測するシステムが完成し,実験を進めている.特に,脳波によるプローブ操作中の検査者の意図を計測する試みが順調に進行している.
(ii)断層像データベースに基づくロボットによる手技再現・協調診断システムの構築 次年度の主な研究テーマではあるものの,断層像データベース構築については先行して実践した.合わせて,7自由度マニピュレータによる手技再現については実現しており,協調動作のための力制御形について検討を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
各テーマに対する今後の研究の推進方策は以下の通りである. (i)生体情報計測に基づく熟練者のコツ・感覚レベルでのプローブ操作手技解析 定量的な評価指標の確立を進めるとともに症例数を増やし,ロボットとの協調制御に活用可能なパラメータの推定を進める. (ii)断層像データベースに基づくロボットによる手技再現・協調診断システムの構築 プローブ走査手技と連動した超音波検査データベースを随時構築すると共に,検証実験を重ね,超音波検査教育ロボットシステムのプロトタイプを開発する.
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