研究課題/領域番号 |
22K12883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高見 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (40723028)
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研究分担者 |
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
錦織 宏 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10463837)
藤原 道隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70378222)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | EPA / 外科教育 / コンピテンシー / Delphi法 / Faculty Development |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、エキスパート外科医(特に日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医や日本内視鏡外科学会の技術認定のような専門性の高い、高次専門医)に必要な資質・能力(コンピテンシー)の評価方法として“ EPA (Entrustable Professional Activities) ”の概念を用いて評価する方法を立案する。Delphi法を用いてエキスパート外科医を目指す修練医を指導する指導者間の意識統合を行い、エキスパート外科医に必要なコンピテンシーを明らかにする。そしてそのコンピテンシーを評価するためのEPAを用いた評価方法を考案し、その評価法の妥当性・信頼性および実現可能性についても検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、エキスパート外科医(特に日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医や日本内視鏡外科学会の技術認定のような専門性の高い、高次専門医)に必要な資質・能力(コンピテンシー)の評価方法として“ EPA (Entrustable Professional Activities) ”の概念を用いて評価する方法を立案するものである。Delphi法を用いてエキスパート外科医を目指す修練医を指導する指導者間の意識統合を行い、エキスパート外科医に必要なコンピテンシーを明らかにしたのち、そのコンピテンシーを評価するためのEPAを用いた評価方法を考案し、その評価法の妥当性・信頼性および実現可能性についても検証することを計画している。 2022年度はこれまでの先行研究および海外で使用されるコンピテンシーについてドキュメント調査を行った。具体的には文献検索や情報収集を行い、エキスパート外科医に必要なコンピテンシーを抽出し、研究協力者を募って、初期リスト作りのための協議を行ってきた。またエキスパート外科医の実務の調査として診療や実際の手術について、自施設のみならず他施設での実態についても調査・見学し、その状況について分析をおこなった。一方、教育分野においてEPAは比較的新しい概念であり、その解釈には十分な理解が必要と感がられるが、2022年7月26日に医学教育振興財団が主催する指導者フォーラムにおいて、EPAを提唱したOlle ten Cate氏の講演が開催されたため、その内容を聴講した。全国の医学教育学者ともEPAの在り方については直接議論を重ねることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば初期リストの作成からDelphi Roundまで開始する予定であったがそこまで至ることができなかった。この理由としては初期リスト作りに難航したことが一番の理由である。ドキュメントを収集・分析したが、本研究のようなエキスパート外科医に求められるコンピテンシーについて言及した研究は多くはない。そのため慎重に議論を重ねる必要があると考えたため、2022年度は前述のような情報収集や議論に時間をかけることとなった。その点でやや遅れていると判断したが、肝心かなめの初期リストさえ完成すればアンケートの発出および収集にはそれほど時間を要さないため、次年度以降でも十分研究の進行は間に合うと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
まずはエキスパート外科医に必要なコンピテンシーについて初期リストの完成を行う。初期リストについてはエキスパート外科医および医学教育学に精通した医師と繰り返し協議して過不足のないものを完成させる。初期リストが完成したら全国のエキスパート外科医にむけてアンケートの発出を行う予定である。アンケート発出先としては日本肝胆膵外科学会高度技能専門医や日本内視鏡外科学会の技術認定医を想定しており、これらの医師の選定はおおむね終了している。アンケート回答者には謝金を渡す予定であるが、その方法については現在検討中である。アンケートが回収できたのちにDelphi Roundを行う。Delphi roundは5件法のLikert scale(1=絶対に除外すべきである、2=除外したほうがよい、3=どちらとも言えない、4=含めたほうがよい、5=絶対に含めるべきである)で回答を求め75%以上のパネルが4あるいは5と回答する、もしくは平均4以上かつ標準偏差1未満を合意基準として3ラウンド行い、その結果を分析して最終案を作成する。自由記載内容についてはテーマ分析し、協議した上で次回のリストに加える。このコンピテンシーの最終案をもとにEPA評価表の初期リストを完成させ、再度Delphi法を行ってエキスパート外科医に必要なEPA評価表を作成する予定である。 また本評価表の普及のため、評価表使用施設の指導医へのFaculty Development(FD)を行う。ここでは評価表の作成のみならず、学習者評価についての講義やロールプレイ、グループディスカッションなど行う。その後評価表の妥当性・信頼性・実現可能性について検証していく予定である。
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