研究課題/領域番号 |
22K12885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 知美 大阪大学, 医学部附属病院, 特任教授(常勤) (60363371)
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研究分担者 |
武田 理宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70506493)
中山 貴寛 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 乳腺内分泌外科主任部長 (30527700)
吉波 哲大 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (30894240)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リアルワールドデータ / 品質評価 / クリニカルデータマネジメント / 臨床研究データ / データ品質 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品開発におけるデータマネジメント(DM)は、データが生成される前に品質マネジメント計画を立てリスクに備えるが、この手順はリアルワールドデータ(RWD)を用いる研究には通用しない。本研究では、グローバル第2相治験の外部対照として承認申請資料に引用された後方視研究(KBCSG-TR1917)のデータセンター業務及び規制当局対応の経験を踏まえ、目的を達成する為に必要なRWDの品質を明らかにし、必要な品質を保つ為の対策法を検討する。日常診療で得られるデータそのものの品質に目を向け、RWDの品質を判断する評価指標・測定基準の構築、及び解析結果の信頼性を向上させる為の DM・統計的手法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
医薬品開発におけるデータマネジメントは、データが生成される前に品質マネジメント計画を立てリスクに備えるが、この手順はリアルワールドデータ(RWD)を用いる研究には通用しない。本研究では、切除不能又は転移性HER2陽性乳癌に対するグローバル第2相治験の対照群として承認申請資料に引用された KBCSG-TR 1917 研究(治験と同様の手順書を用いてリソースを割いた研究)のデータと、純粋に二次利用の立場から抽出した診療録データ(すなわちRWD)の両者を比較することにより、RWDの品質を判断するための指標・基準の構築、解析結果の信頼性を向上させるための手法の開発、および臨床研究に応用する際の限界を明らかにする。 2022年度は、多施設研究用の研究計画書を作成し、中央一括審査にて倫理委員会の承認を得た。月に1回のペースで分担研究者等(乳腺外科、医療情報部、データセンターの各専門家)が集まり、KBCSG-TR 1917 研究のプロトコルに規定された「症例の組み入れ基準」及び「症例報告書のデータ収集項目」について、電子カルテからの抽出方法を検討・協議した。研究の適格基準に合致する症例の抽出に関しては、抽出ロジックを確定し、現在、大阪大学医学部附属病院のカルテから抽出したデータを分析中である。並行して、大阪国際がんセンター及び東京医科歯科大学病院の医療情報部との調整を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書では、大阪大学医学部附属病院での検討を完了する計画としていたが、組み入れ基準に関するデータ抽出までの進捗となった。そこで、単施設での検討を終えた後に多施設に拡大するのではなく、単施設での検討を先行して進めつつ、並行して、他施設への展開を開始する方針とした。毎月、研究の進捗状況と方針の確認・協議を行う定例会議を開催しており、他施設への展開も見据えた議論が出来ているため、深刻な遅れではないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
大阪大学医学部附属病院において、「2014/1/1から2022/12/31に、乳がんと診断された女性患者でかつT-DM1の使用歴があり、T-DM1の初回投与日時点で20歳以上の患者」を抽出した結果、該当症例は49例であった。まずは、他の適格条件を考慮したうえで、KBCSG-TR 1917 研究の当院における対象者20例と一致するかを確認する。大阪国際がんセンターと東京医科歯科大学病院のデータを受領でき次第、3施設のデータを統合して検討を行う。 次に、KBCSG-TR 1917 研究の症例報告書で収集したデータのうち、抽出可能なデータの割合(カバー率)と、抽出できたデータの一致性を調べる。さらに、RWDの解析結果とTR1917研究の解析結果の齟齬を確認する。特に、加工・導出・読替えを行ったデータや、不一致となったデータについては慎重に考察を行い、欠測の判断や最尤法による補完など、取り扱いを変えた検討も行う。 想定よりも該当症例が少なく、RWDのメリットが表れにくい状況であるが、データを分析・評価する過程で生じる問題点について、目視等での対応も可能な規模であるため、手間を惜しまずに取り組む方針である。 毎月行ってきた定例会議は、進捗状況の共有と方針の確認に加え、新たな発見に対する考察や、生じる課題への協議・対策が速やかにできるよう継続して開催する。
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