研究課題/領域番号 |
22K12887
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 聡 九州大学, 大学病院, 講師 (20637904)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 臨床研究 / 高齢者 / リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
標準治療が確立されていない末梢性T細胞リンパ腫に対し、本邦で開発されたロミデプシンを、短期間しか治療効果が期待できない従来型の救援化学療法GDP療法施行後の地固め療法として導入する。今後の治療開発促進が期待される。さらに治療適応に対し、高齢者評価機能を使用し、効果判定にQOL(quality of life)を併用することで今後の高齢者に対する臨床試験の改善が期待される。
|
研究実績の概要 |
研究内容「高齢者リンパ腫に対する臨床試験への展開」 ①高齢者移植非適応再発・難治末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma, PTCL)に対するゲムシタビン、デキサメサゾン、シスプラチン(GDP)療法+ロミデプシン療法の第II相試験(PTCL-GDPR) ②高齢者リンパ腫治療における高齢者評価指標による治療適応及び患者志向型QOL(quality of life)による効果判定に関する検討(EML-GPQ) ①の目的は、高齢者移植非適応再発・難治PTCLに対し保険採用薬を使用した治療の適正化である。従来のGDP療法施行後に期間限定でロミデプシンの投与をおこなう試みを開始した。 ②では治療適応に対し高齢者評価機能を使用し、効果判定にQOLを併用することで今後の高齢者に対する臨床試験の改善が期待される。 後方視的研究(Yamasaki et al. Euro Geriatrics Med 2022)で85歳以上と活動的ADLが予後不良因子であったため、85歳以上及び活動的ADLが不良な患者においては治療導入の是非を患者参加型意思決定支援のアプローチで一人一人慎重に判断している。高齢者医療で重要なA)認知機能(Yamasaki et al. Compl Tx Med 2023)、B)身体機能(Yamasaki et al. Hematol Rep 2022)、C)投薬(Yamasaki et al. DRWO 2022 & Hematol Rep 2023)、D)多疾患併存(Yamasaki et al. Sci Rep 2022)、E)生きがい(PTCL-GDPR,EML-GPQ)に注意しながら患者・家族の最も大事なことを中心に治療を考える「協動的意志決定」の積極的な実践を継続し高齢化が進む世界へ日本から医療・社会・経済面での貢献に最善を尽くしたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①高齢者移植非適応再発・難治末梢性T細胞リンパ腫に対するゲムシタビン、デキサメサゾン、シスプラチン(GDP)療法+ロミデプシン療法の第II相試験(PTCL-GDPR) 新規薬剤の保険採用、特に内服のヒストンアセチル化阻害剤が採用となったため、ロミデプシンを選択することがまれとなっている。2022年3月末に症例登録を終了とし、2年間の観察期間中である。コロナの影響もあり登録症例数が少なかったため、試験開始前に事前に後方視的調査した症例と合わせて論文公開を予定している。 ②高齢者リンパ腫治療における高齢者評価指標による治療適応及び患者志向型QOL(quality of life)による効果判定に関する検討(EML-GPQ) 現在症例集積中である。コロナの影響があり、症例集積に難渋している。 高齢者医療で重要な認知機能、身体機能、投薬、多疾患併存に関係する症例報告、ケーススタディ、総説論文を作成し、英文論文6本採択され、2本論文投稿中である。 ①②ともに本研究期間の2024年3月末までに英文論文を作成し投稿を開始する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
投稿中の高齢者医療で重要な身体機能に関する総説論文と多疾患併存に関する症例集積論文の採択を目指す。 ①は最終登録症例の観察期間が2023年8月に終了となるため、データセンターでのデータ固定後、データ提供があり次第、英文論文作成を開始する。 ②は2023年12月までの登録症例で新規症例登録を終了とし、データ固定し、英文論文作成を開始する。 ①②ともに本研究期間の2024年3月末までに英文論文を作成し投稿を開始する予定である。
|