研究課題/領域番号 |
22K12890
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
野口 義紘 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (80724608)
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研究分担者 |
寺町 ひとみ 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20405129)
舘 知也 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80618447)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シグナル / リアルワールドデータ / 医薬品相互作用 / 計算科学 / データマイニング |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品相互作用は、有害な副作用発現に繋がるだけでなく、相乗効果により、より良い治療法となる可能性もあるため、医薬品相互作用の適切な把握や理解が求められている。臨床試験で想定されなかった医薬品相互作用の発見には、市販後に集積された副作用報告データから得られる安全性シグナルが有用である。この安全性シグナルが、よりエビデンスの高い情報となるためには、因果関係についての臨床薬理学/臨床疫学的検証が重要であるが、検証結果が得られるまでに、多くの時間や多額な費用を要するという問題点もある。 そこで、本研究では、ビッグデータを活用したエビデンスの高い医薬品相互作用の安全性シグナルの探索法を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、計算科学に基づくデータマイニングを活用したエビデンスの高い有害事象シグナルの創出を目的とした「若手研究 19K20731」の継続研究であり、対象を医薬品相互作用にまで拡張したものである。 有害事象自発報告データベースから得られるシグナルをエビデンスの高い情報にするためには、医療機関から収集されたリアルワールドデータや医薬品の化学構造データ、薬物応答遺伝子データなどを用いて十分に検証する必要がある。 本年度は、医療機関から収集されたリアルワールドデータを用いてシグナルの検証環境の構築し、実際にDPP-4阻害薬とメトホルミンの心血管疾患のシグナルについて検証を実施した。 日本の自発的報告システムである日本医薬品有害事象報告(JADER)データベースと、日本の健康保険請求および健康診断データベースであるJMDC社のデータベース(JMDC Claims Database)を使用した。主要心血管イベントを主要評価項目として設定した。結果:JADERを用いた解析では、DPP-4阻害剤では主要な心血管イベントのシグナルが検出されたが(IC:0.22, 95%信頼区間:0.03-0.40)、メトホルミンでは検出されなかった。JMDC Claims Databaseを用いた解析では、DPP-4阻害剤とメトホルミンの主要心血管イベントのハザード比は1.01(95%CI:0.84-1.20)であった。日本のJADERとJMDC Claims Databaseを用いた網羅的解析の結果、日本で広く使用されているDPP-4阻害剤は、欧米で第一選択薬として使用されているメトホルミンと比較して、心血管イベントのリスクが劣らないことを示した。 また、米国の有害事象自発報告データベース(FAERS)を用いて抗がん剤の有害事象シグナルを探索しており、今後の調査課題として適切な仮説生成がされたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有害事象自発報告データベースから得られるシグナルをエビデンスの高い情報にするためには、医療機関から収集されたリアルワールドデータなどを用いて十分に検証する必要がある。本年度は、検証環境の構築と検証事例として1件のリサーチクエスチョンについてシグナル探索およびシグナルの検証を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
医薬品相互作用のシグナルの探索を行い、そのシグナルについてリアルワールドデータを用いたシグナル検証を実施する予定である。
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