研究課題/領域番号 |
22K12893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
松田 芳和 城西大学, 薬学部, 特任教授 (00895401)
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研究分担者 |
渡辺 知恵 城西大学, 薬学部, 教授 (30737747)
安藤 祐介 城西大学, 薬学部, 助教 (10805881)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / OA / 再生医療 / KLグレード / 膝関節液 / RNA-Seq |
研究開始時の研究の概要 |
近年、多血小板血漿(PRP)療法などの再生医療が種々の疾患に対して実施されるようになり、その治療効果は『変形性膝関節症(OA)』においても目覚ましい。しかしながら、『再生医療が効く患者と効かない患者の違いは何か』という治療の根幹に関わる課題は残存しており、その治療過程を反映する明確な治療モニタリングマーカーについての知見も乏しい。そこで本研究では、再生医療適応の判定基準および治療アルゴリズムの確立を目的として、種々の網羅的発現解析を通してOA発症関連因子を見出し、OAにおける再生医療適応の判定に資する有用な治療モニタリングマーカーの探索を行う。
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研究実績の概要 |
我が国は世界最高水準の長寿国であるが、近年、『健康上の問題で日常生活が制限されることなく自立して生きられる期間』を指す『健康寿命』も新たな指標として重要視されている。その中でも、日常生活動作の維持と向上に必要不可欠な『ひざの健康』は、充実した理想的な老後のライフスタイルの維持に不可欠であり、健康寿命の伸長に強く関連している。膝の痛みの多くは、変形性膝関節症(OA)に起因するものであることが知られており、日本国内のOA患者数は、自覚症状を有する患者が約1,000万人、X線診断による潜在的な患者数では約3,000万人にも達すると推定されているが、その発症機序の詳細については未だ不明な点が多く、治療法についても議論の的である。また、OAの治療法についても未だ議論の的であり、近年の新たなOA治療法の選択肢として再生医療適応の試みも広く行われてはいるが、OAの根治にはほど遠いと推定される。そこで本研究では、種々の網羅的発現解析を通して変形性膝関節症(OA)発症関連因子を見出し、OAにおける再生医療適応の判定に資する有用な治療モニタリングマーカーの探索を行い、再生医療適応の判定基準および治療アルゴリズムの確立を目的としている。 2年目の本年度は、OA患者由来の膝関節液の採取を進め、現在までに61検体(KL1: 6検体、KL2: 20検体、KL3: 12検体、KL4: 16検体、未分類: 7検体)の採取を終えた。3年目に行う解析に備え、200検体を目処に採取を継続している。また前年度にOAを模倣した環境にて培養した線維芽細胞様滑膜細胞を用いてRNA-Seq解析を行い、OA発症時に発現が変動し得る遺伝子(増加: 1300遺伝子、減少: 1534遺伝子)を見出しているが、ヒトOA患者由来滑膜組織と正常滑膜組織との網羅的遺伝子発現解析結果と照らし合わせることで、その中からOA病態に深く関連することが想定される分子Xを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OA患者由来の膝関節液の採取を計画通り進められており、また、in vitro実験についてもOA病態と関連性が想定される分子を同定できたことから、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、線維芽細胞様滑膜細胞における分子Xの役割を検討するとともに、採取済みのOA患者由来膝関節液61検体を用いて分子Xの発現とKLグレードとの関係性を追う予定である。
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