研究課題/領域番号 |
22K12896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
石川 紘司 昭和大学, 医学部, 講師 (40794946)
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研究分担者 |
豊根 知明 昭和大学, 医学部, 教授 (10407918)
工藤 理史 昭和大学, 医学部, 教授 (60621985)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脊椎手術 / 骨粗鬆症 / In silico強度解析 / 骨強度 / インプラント / 骨代謝 / 整形外科手術 / 有限要素解析 / 力学的解析 / 術後合併症 / 整形手術 / 合併症 / 術式選択 / 薬物療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、手術に特化したBiomechanical analysis(有限要素解析)を行う。脊椎の手術は大きく分けると固定術(金属を使用する)と除圧術(使用しない)があるが、術式決定に関する明確な基準はない。近年、固定術の占める割合が急増している。しかし、スクリューのloosening (ゆるみ) や隣接椎間障害(手術部位付近の骨折)など、固定術特有の合併症が増加しており、医療経済的にも重大な問題である。得られた結果を元に、手術の合併症リスクを可視化し、不必要なリスクを回避することで「高齢者運動器手術の長期成績向上に向けた新たなアルゴリズム」を確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度はこれまでの研究結果をいくつかまとめることができ、国際学会等で様々なアウトプットを行うことができた。特にこれまで主に行ってきた、「Romosozumab(骨粗鬆症薬)の短期間投与が脊椎手術に及ぼす影響」に関する論文は、査読後の校正段階であり、骨粗鬆症薬物療法の副次的な効果を見出すことができたと思っている。重要な知見はRomosozumab投与は短期間投与にも関わらず、椎体領域・椎弓根領域の3次元骨密度を上昇させ、さらにインプラント関連の合併症(スクリューの緩み・術後椎体骨折・ケージ沈降)を減らす可能性を同定したことである。骨粗鬆症大国である日本からの興味深い新知見に諸外国からも様々な反響をいただいており、今後はさらに発展的な研究が展開できるものと感じている。また、Cornel大学の関連病院である、Hospital for Special Surgeryと共に行った共同研究に関しても、アメリカ整形外科基礎学会(2024年2月)で発表することができた。こちらに関しては、より解剖学的なアプローチをとり「どのように椎体骨の加齢性変化が骨強度に影響するのか」を明らかにした。その他にも、筋肉の脂肪変性と椎体骨強度との連関についても精査し、MRI画像より測定される脂肪変性が骨の強度そのものに影響する可能性を報告した。様々な因子が関与することが想定されるが、今後はさらに骨と多臓器連関についても調査していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究結果をまとめ、国際学会等で様々なアウトプットを行うことにより、多くのFeedbackや有意義なDiscussionを行うことができた。また同時に、論文も近く発表できる可能性が高い。さらに、基課題の研究基盤を元に、当初の予定よりも国際共同研究を中心に、様々な発展的な研究が行えていると感じている。
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今後の研究の推進方策 |
継続して症例登録と解析を行う傍ら、投稿中の論文を完成させることに注力する。また、現在進めている国際共同研究にも精力的に従事していく予定である。その他にも、本研究課題をさらに発展させるために、UC Burkeley大学などと新たな視点で基課題を発展させることを検討している。具体的にはアメリカや本邦より患者Dataを取得し、本手法を用いて解析することにより、手術により良い影響を及ぼす薬剤を精査していく予定である。今後のダイナミックな展開を期待している。今年度も新たな着眼点で国際共同研究に精力的に従事し、順次アウトプットを行うことで、「より良い高齢社会の実現」に少しでも貢献できるよう、尽力する。
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