研究課題/領域番号 |
22K12899
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
|
研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
築茂 由則 国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 主任研究官 (40469630)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | cfRNA / cfDNA / exosome / cell free RNA / コンパニオン診断 / がん / エクソソーム / EGFR |
研究開始時の研究の概要 |
cf-mRNAからの微量遺伝子変異の検出法は十分に確立されていない。本研究では、細胞の状態とcf-mRNA放出量、断片化レベルの評価、回収方法の検討、逆転写・増幅反応の至適化、二次構造や断片化レベルを考慮した変異検出プライマー、プローブ設計、検出方法・検出条件の検討など一連のプロセスを比較検討し、最適な検出方法を構築する。また、構築した検出系を臨床検体(肺がん患者由来の血漿)に適用し、日本人肺腺がんの主要な遺伝子変異(EGFR変異、KRAS変異)の検出感度・特異度についてcfDNA単独、cf-mRNA/cfDNA併用の比較検討を行い、cf-mRNAの有用性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
血中を循環するcell free DNA(cfDNA)に含まれる腫瘍由来の変異遺伝子の情報は、一部の進行がんへの投薬判定(コンパニオン診断)や再発モニタリングに利用されている。しかし、腫瘍由来のcfDNAが占める割合はごく僅かであり、感度不足の克服は継続的な課題となっている。 感度不足を補う方法として、最近では血中を循環するmRNA(cell free mRNA)の診断への利用が検討されている。しかし、cf-mRNAの存在様式(一本鎖、多様な塩基長、二次構造、細胞外小胞・極小顆粒内など)はcfDNAとは大きく異なり、検出・評価手法はまだ十分に確立されていない。本研究では、cf-mRNAの回収方法の検討、プライマー・プローブ設計の改良、逆転写・増幅酵素の比較検討、PCR条件の至適化など、cf-mRNAから微量遺伝子変異を検出するための一連のプロセスの最適化を行う。 今年度は、細胞外放出mRNAを効率的に回収するための方法に関する文献調査、高感度に検出する上で適切な酵素類(逆転写酵素,ポリメラーゼ)について調査を行い、最適と考えられる試薬類を選定した。また、プライマーの設計方法の調査と実際に設計されたプライマー群の品質についてSYBR green法にて確認を行い、最適なパフォーマンスが期待できるプライマーの選別方法を確立した。 上記と関連し、臨床検体から標的核酸配列を検出するための様々な核酸増幅検査薬に関して、それらの検出原理、逆転写酵素、ポリメラーゼ、内部標準核酸、検体処理方法、判定方法、試薬構成、測定機器など一連の調査研究を行い、その成果の一部について原著論文として医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス誌に報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養上清を用いた検討まで着手するまでには至らなかったものの、概ね順調に進められており大きな問題はない。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの検討により、cfmRNAを検出するための試薬類の配備、最適化を進めることができた。今後は、ヒト肺がん細胞株の培養上清を用い、目的がん遺伝子変異の検出感度の評価を進める。
|