研究課題/領域番号 |
22K12901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
水上 拓郎 国立感染症研究所, 次世代生物学的製剤研究センター, センター長 (60415487)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | mRNAワクチン / LNP / バイオマーカー / MicroRNA / 安全性評価 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンに関しては,全く新規製剤であるため新規の有効性・安全性評価法の開発が求められる。我々は,既存の有効性・安全性試験にシステムバイオロジーを応用し,バイオマーカーでワクチンの有効性・安全性を評価できることを示してきた。 本研究課題では,我々の開発したバイオマーカーを用いたin vivo及びin vitro安全性評価法で新規のmRNAワクチンの評価が可能か検証すると共に,新型コロナmRNAワクチン接種後の血清サンプルを用い, mRNAワクチンの有効性・安全性に資する新規バイオマーカーの同定を試み,次世代のmRNAワクチンの有効性・安全性評価法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
2019年末に発生した新型コロナウイルスは瞬く間にハンデミックとなったが,mRNAワクチン等の緊急使用承認を受け,世界各国での接種開始が実現した。 mRNAワクチンに関しては,全く新規製剤であるため新規の有効性・安全性評価法の開発が求められる。そこで,本研究課題では,我々の開発したバイオマーカーを用いたin vivo及びin vitro安全性評価法で新規の mRNAワクチンの評価が可能か検証すると共に,国立病院機構村山医療センターとの共同研究で得られた,医療従事者における新型コロナmRNAワクチン接種後の血清サンプルを用い, mRNAワクチンの有効性・安全性に資する新規バイオマーカーの同定を試み, 次世代のmRNAワクチンの有効性・安全性評価法の開発を行う。 2023年度は、SARS-CoV-2のmRNA配列に基づき、mRNAワクチンを製造した。またLNPも製造し、既成と類似のmRNAワクチンを製造することに成功した。さらに、接種後の局在等を明らかするため、GFP mRNAワクチンとLuciferase mRNAワクチン、albumin mRNAを製造し、 SARS-CoV-2 Spikeの局在と比較できる体制を構築した。2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に分類されたことや、ワクチン接種の公費補助がなくなり、自費接種になったことから、mRNAワクチンの購入が可能となった。現在、これらの購入を確認中で、購入可能な場合、比較する予定である。 また、XBB系統mRNAワクチン接種7回目、8回目の接種後の血清を用い、XBB系統に対する中和抗体の誘導能について検証し、XBB系統の追加接種により、有意に中和抗体が上昇していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に分類されたことや、2023年3月末までにワクチン接種の公費補助がなくなり、自費接種になったことから、mRNAワクチンの一般購入が可能となった。そこで、我々の製造した実験室レベルのものでなく、実際に使用されている製剤を使ったほうが結果の信頼性が増すと考え、貴重なサンプル、ワクチンを無駄にしないよう、Pfizer,Modernaの製剤が入手できるまで、実験を延期したことが、大きな理由である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、承認されているmRNAワクチンの入手が可能となったため、2024年度早々に購入し、今まで製造したモックmRNA Vaccineも用い、培養細胞及び動物実験に移行し、バイオマーカーの有用性の検証、新規バイオマーカーの検索を行う。 また、医療従事者における新型コロナmRNAワクチン接種後の血清サンプルを用い,血清中のSpike特異的抗体価及び中和活性を検証 し、ワクチン接種により、Spik特異的抗体が誘導されていることが明らかにするとともに、ヒトと動物で共通するmicroRNAなどのバイオマーカーの探索を行う。今後、これらの検体を用い、mRNAワクチンの有効性・安全性に資する新規バ イオマーカーの同定を試み、培養細胞および動物実験の結果と比較検証する。
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