研究課題/領域番号 |
22K12910
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
春名 弘一 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (00712168)
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研究分担者 |
昆 恵介 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30453252)
稲垣 潤 北海道科学大学, 工学部, 教授 (50337052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 下肢装具 / フォローアップ / スマホアプリ |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中患者の歩行機能を補う目的で,下肢装具の活用が推奨されている.一方で,装具ユーザーに対するフォローアップ体制の不備が指摘されている.この問題の背景には制度上の障壁が存在し,現制度では装具の定期的な点検・整備が義務化されていない.さらに,介護保険制度では装具に関わる専門職種が揃って提供できるサービスがない.そのため,都市部も含めた全国的な課題となっている. 本研究では,下肢装具ユーザーに対するフォローアップを支援するために,専門家の支援がなくても,装具ユーザー自身が装具の異常を検知し,フォローアップの指針となる情報を専門職機関と共有するシステムを開発し,実用性を評価することを目的とする.
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研究実績の概要 |
片麻痺者を対象とした歩行評価では、歩行の時間・距離因子を評価することが有用であるが、リハビリテーションの臨床現場でこれらを計測するには、時間と手間を要するため障壁がある。本研究では歩行評価支援を目的に、対象者の歩行を1台の汎用カメラで撮影し、その映像から歩行パラメータを簡便に計測・取得するシステムを開発している。 現在までに、装具不適合による歩容変化の特徴量を検出するシステムの構築の大枠は達成した。 汎用カメラを用いた歩行評価システムを構築し、歩幅の精度検証実験を実施した。アプリケーションは、撮影した歩行動画から推定した足部情報の時間および距離情報を用いて、自動的に歩行速度、歩幅、単脚支持時間、ケイデンス、歩行比を算出するプログラムを構築した。精度検証実験は、健常大学生10名を対象に様々な歩容と歩行速度と再現する目的で、左側に継手付AFOを装着した異常歩行モデルで計測した。AFOの角度は底屈0度固定と底屈5度固定の2条件とし、歩行速度は0.4m/sから1.2m/sまで0.2m/s間隔で5つの歩行速度で歩行させた。パラメータは1試行ごとの歩幅平均値とし、5mの歩行路に付けたフットスタンプから求めた歩幅(以下、実測値)と比較した。 本システムと実測値との関係は線形を示し、計測誤差平均値は4.7±11.4mmであった。単回帰式(y=1.008x+0.63)を用いて、 本システムから実測値を予測した場合の精度は、寄与率0.9927であった。 試作したシステムは歩行の時間・距離因子を評価する上で臨床での活用に耐えられる精度を有している可能性を示唆した。今後は,計測環境の違いによる精度を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過年度研究では、スマホカメラで撮影した歩行動画から、AIを活用した動作解析処理を行い、装具不適合による歩容変化の特徴量(歩行速度、歩幅の左右対称性、体幹前傾角度)を検出する歩行評価アルゴリズムを開発し、計算量と計測精度を評価した。 当初の計画よりも計測精度の向上のためにプログラム修正が必要で、計画がやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は更なる計測精度の向上を目指し、プログラムの修正を継続する。 また、開発するシステムのフィールド調査を行い、将来的な社会実装に向けての課題を明確にする予定である。
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