研究課題/領域番号 |
22K12913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
田中 久弥 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (80296384)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 軽度認知障害 / MCI / 耳周辺脳波 / ear-EEG / ブレイン・コンピュータインタフェース / BCI / 認知症 / 文字入力 / 早期診断 |
研究開始時の研究の概要 |
軽度認知障害(MCI)の脳情報予測技術の開発である。この予測が自宅で一人でできれば認知症を発症する手前で受診・治療ができる。これまで脳波で文字を入力できる装置を開発し認知症患者に文字を注視させコンピュータにその文字を推定させるプログラムを作成した。その結果認知機能障害が進行すると打ち間違えが増えることが分かった。研究開発中のBCI検査法は専門医受診が前提の検査方法と比較して早期発見が期待できる。この仕組みを小型装置に実装し自宅でできるMCI軽度認知障害の脳情報予測技術を目指す。
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研究実績の概要 |
「自宅でできる~」の取り組みは、耳介周辺から脳波計測を日常的に行うための電極を開発した。従来の脳波計測が計測キャップを被ったり導電性ペーストによる頭髪の汚れといった問題を抱えるのに対し、耳周辺脳波はこれらの問題を解決しウェアラブルな脳波計測装置としての可能性がある。この電極と小型脳波計回路を組み合わせれば、長時間快適に、安定した脳波計測が可能になる。 「MCI軽度認知障害の脳情報予測技術」の取り組みは、P300-Speller BCIタスク中の事象関連電位から検査スクリーンにおける注意集中領域を可視化する手法を開発した。そして、本手法によって得られる指標である注意確率分散 APV の認知機能評価における有効性を検証した。その結果、認知健常群(NC)と軽度認知障害群(MCI)、アルツハイマー型認知症群(AD)のそれぞれに統計的有意差が認められ、認知機能の低下に伴って APV が増加することが示された。加えて、APV を用いて NC-MCI 分類モデルを作成した結果、従来の分類モデルよりも精度が向上した。これらの結果から、注意確率分散 APV が認知機能低下の早期発見に有効であることが示唆された。 また、P300-Speller BCI タスク中の各脳部位における脳波の周波数成分の非対称性から認知機能低下を予測する指標を開発し、その検証を行った。その結果、前頭部と後頭部の間におけるα帯域(8-13Hz)成分の非対称性が早期認知機能低下の検出に有効であることが示された。加えて、本指標と従来指標 SEDV を用いた分類モデルにおいて、AD 群と非 AD(NC, MCI)群の分類において正答率 89.0%,MCI 群と NC 群の分類において正答率 80.9%であった。この結果から,脳波の周波数成分の非対称性が認知機能低下の予測精度の向上に貢献できることが考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「自宅で出来る~」の取り組みとして簡便な脳波計測センサーが開発できたから。また「MCI軽度認知障害の脳情報予測技術」の取り組みとして、MCIを分類できるアルゴリズムを作り実際の患者のデータで検証できたから。
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今後の研究の推進方策 |
簡便な脳波計測センサーがBCI検査装置の一部として動作するか検証する必要がある。
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