研究課題/領域番号 |
22K12918
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
榊 泰輔 九州産業大学, 理工学部, 教授 (60373130)
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研究分担者 |
下川 俊彦 九州産業大学, 理工学部, 教授 (60301347)
神屋 郁子 福岡女子大学, 国際文理学部, 講師 (00615354)
藤野 友和 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40364161)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | リハビリテーション / 転倒予測 / 回帰式 / ベイズ推定 / リハビリロボット / 介護ロボット / 転倒 |
研究開始時の研究の概要 |
健康寿命を延伸し高齢者が活躍する社会とするには、転倒リスクの評価と予防訓練の普及が喫緊の課題である。しかし、現状のリスク評価は転倒経験を主要な因子としているため、転倒未経験では虚弱であってもリスクを低く見積もる傾向があった。また、施設での試験には時間とコストがかかる。さらに、老化による転倒リスクの経年変化は考慮されていない。そこで本研究では、ベイズ統計モデリングを導入し、①転倒リスク評価の精度向上、②簡便で低コスト、③将来予測の可能な転倒リスク評価方法を開発する。これにより転倒リスクを日常的にモニタしつつ、健常なうちから高齢者の転倒を防ぐ予防訓練機器の開発基盤をつくる。
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研究実績の概要 |
今年度課題は①時系列データ解析方法の調査として線形ガウス型状態空間モデルなどを整理し従来技術の問題点を抽出する。②問診アプリ開発としてデータ収集機能の開発と試用、データ蓄積により解析の準備を整える。③データ解析方法の開発として実データの観察と解析方法について検討を始める。 ①時系列データ解析法調査 線形ガウス型状態空間などがあり組み合わせる方法もある。メタアナリシス論文からBerg Balance Scaleは転倒に関し重要な要因である。また転倒は再発イベントであり、複数回おきる事象を解析するモデルに着目すべきである。 ②問診アプリ セキュリティの問題を回避して実データをとりやすくするためローカル(タブレット上)でデータ蓄積する。アンドロイドタブレット(スマホ)でSDカードを想定する。平行して紙ベースの質問票で高齢者データを数例収集した。 ③転倒リスク予測手法 関連論文では重回帰式等で項目を絞り簡単な点数化を採用している。精度と対策の点で問題がある。ロジスティック回帰による転倒確率導出を試行した。当面1回のデータで転倒確率をもとめ従来法と正答率を比較し有効性を確認した。繰り返し起こるイベントに関する手法を調査しCox比例ハザード法に着目、今後検討を進める。最初から絞らず、得られるデータと利用目的により柔軟に考える。モデルは未転倒と転倒歴有で区別すべきである。変化が非線形の場合、モデルを分けて組み込めるか確認する。必要な実データ量を見積もった。説明変数が数十であれば少なくとも100個は必要である。平行して、少ないデータ数であってもそれに対応したシンプルなモデルで検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の2年次目標である①時系列データ解析方法の調査、②問診アプリ開発、③データ解析方法の開発について、おおむね計画通り進捗しているため。ただし、②は数例の実データ収集であり、③は解析手法の検討途中であることから(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き目標である①時系列データ解析方法の調査、②問診アプリ開発、③データ解析方法の開発を継続する。①は時系列解析手法の調査の継続、②は紙ベースでの実データ収集を継続しつつ、現場から指摘された課題を収集し問診アプリ開発につなげる。③は、今年度調査した以外の手法、例えばサポートベクターマシンについて次年度試みる。データに合わせケースバイケースで選ぶ。回帰式など線形手法は予測精度劣るが解釈しやすいので合わせて検討する。最初から絞らず、得られるデータと利用目的により柔軟に考える。モデルは未転倒と転倒歴有で区別すべきである。変化が非線形の場合、モデルを分けて組み込めるか確認する。必要な実データ量について、説明変数が数十であれば少なくとも100個は必要である。平行して、少ないデータ数であってもそれに対応したシンプルなモデルで検討する。
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