研究課題/領域番号 |
22K12923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
水野 文雄 東北工業大学, 工学部, 教授 (20432289)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 斜視 / 両眼視野闘争 / ウェアラブルテクノロジ / ディスプレイ / ヒューマンインタフェース / バーチャルリアリティ / 間欠性外斜視 / 視覚支援システム / HMD / 視線検出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではこれまで我々が開発を行ってきたバーチャルカメレオンのシステム構成の見直しと画面位置や姿勢変更可能なHMD補助デバイス等の追加を行う事により,斜視の症状をリアルタイムにフィードバックし,画面の位置・姿勢を制御して健常な視野の付与と視能訓練が可能なウェアラブルシステムの開発を目指す.そのため本研究課題では,実施項目を画面位置・姿勢制御機能を有する映像提示デバイスの開発,カメラの姿勢制御による映像取得デバイスの開発,斜視の症状に応じたフィードバック制御手法の確立および専用コントローラの開発などに切り分け取り組み,その成果を統合することで目的とするウェアラブルシステムの開発を行う.
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研究実績の概要 |
これまで我々は顕著な両眼独立運動を行うカメレオンに着目し,ユーザに両眼独立運動による視野を与えるシステムであるバーチャルカメレオンの開発を行った.バーチャルカメレオンはロボットおよびVR技術を用いることで両眼視野闘争が生じるもののヒトとは全く異なる解剖構造と行動様態を有する生物の視野をユーザに付与することが可能としたが,異なる視点においては斜視を擬似的に再現したと見なせる.斜視とは眼位の異常である.すなわち,通常,視線は同じ場所に向かって揃っているが,斜視は右眼と左眼の視線が違う方向に向かっている状態である.我々はこれまでセンサ,カメラやアクチュエータおよびHMD (Head-Mounted)を用いることで両眼独立視を得たが,システムの見直しと行うことで,斜視患者に対して健常者の視野を与えるような器具や視能訓練を行うなどの斜視機能矯正を行うことが可能であると考えている.本研究ではこれまで開発を行ってきたバーチャルカメレオンのシステム構成の見直しと画面位置と姿勢変更可能なHMDデバイス追加により,斜視の症状をリアルタイムにフィードバックして画面の位置や姿勢を制御し健常な視野の付与と視能訓練が可能なウェアラブルシステムの開発を行うことを目的とした. 初年度は,アクチュエータを用いた画面の位置・姿勢制御を可能とするHMDの開発を行うこととした.斜視患者については視線異なる方向を見るため画面正面とならないだけでなく、視線軸まわりのねじれも含まれるため市販のHMDは使用できないと考えられる.また,斜視患者は斜視側の視力が衰えている場合も想定されるため,単眼HMDモジュールとして網膜走査型ディスプレイの選定を行い,このHMDモジュールの画面位置・姿勢制御について上下・左右方向への並進移動と各軸周りの回転を実現できるような機構の検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、網膜走査型投影型のHMDモジュールを採用し、その位置・姿勢を制御する機能を有するHMDの開発を行うが、その形状と大きさを考慮に入れて眼前という限られたスペースでの位置・姿勢制御を行う機構の設計に難航した。そのため、開発遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においてディスプレイモジュールの位置姿勢制御装置の開発を行うにあたりその位置・姿勢の制御の自由度の実現と小型のサイズという点の両立を行うことが難航しているため、計画の遂行が充分に実施できているとは言えない状況である。従って、今後の研究遂行においては、計画時に想定されていた開発項目の整理を行い、また、検証過程においても、増大してしまった検討項目についても整理した上で計画を遂行することになる。
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