研究課題/領域番号 |
22K12938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
今井 信也 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 准教授 (00783515)
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研究分担者 |
赤羽 学 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (40326327)
五反田 龍宏 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60711447)
山畑 飛鳥 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 助教 (70880326)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 放射線防護メガネ / 鉛当量 / ラジオクロミックフィルム / 水晶体線量計 / 散乱線低減率 |
研究開始時の研究の概要 |
水晶体への散乱線防護には放射線防護メガネが有用であるが、重装防護眼鏡の規格では重量が大きいため、術者の負担となる。また、従来水晶体用線量計の装着は考慮されていなかったため、装着不能なメガネも存在する。 本研究では、診断領域で発生する低エネルギーの散乱線に対して最も実用的なレンズの鉛当量とレンズ形状を明らかにする。また、ラジオクロミックフィルムを応用してメガネの中に入射する散乱線分布を測定し、散乱線強度に応じて各隙間の遮蔽材を決定する。そして、散乱線低減率と軽量化のバランスを追求しつつ、再現性の高い水晶体被ばく管理が可能な水晶体用線量計装着機能を備えた次世代型放射線防護メガネの開発を行う。
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研究実績の概要 |
放射線防護メガネは各社から独自に商品化されており、レンズの形状や材質、鉛当量は様々なため、散乱線低減率も異なっているのが現状である。また、水晶体への被ばくはレンズと皮膚との隙間によっても大きく影響されることが分かっている。水晶体への被ばくを低減するにはレンズと皮膚との隙間を最小限にすることが重要となる。 2022年度は、数種類のメガネに0.1~1.0 mmPbまでの鉛シートをレンズに貼り合わせていくことで鉛当量の変化による散乱線低減率の飽和値を推測した。その中で、フレームやレンズ形状による散乱線防護効果について評価した。 ERCPをモデルとして模擬術者に見立てた頭部ファントムと、模擬患者に見立てた全身CT用ファントムを使用してX線照射実験を行い、術者の水晶体等価線量の計測を行った。その際、フレームとアクリルレンズで構成されたメガネに0.1~1.0 mmの鉛シートを貼付した放射線防護メガネ模擬術者に装着し、各メガネの鉛当量の変化による散乱線低減率とフレームやレンズの形状による散乱線防護効果について検証を行った。 その結果、X線TV装置のX線管に近い左目の水晶体等価線量では、放射線防護メガネのレンズの鉛当量が0.2 mmPbに達した段階で80%以上の散乱線防護率に達することが実験より明らかになった。しかし、右目の水晶体等価線量は散乱線防護率が80%以上に届かなかったため、鉛シートの貼付方法について再度見直しが必要となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では4種類の放射線防護メガネについて検証を行う予定であったが、2つのメガネで検証を行った結果、データに大きな差が生じなかったため、2種類のメガネの結果より散乱線防護効果の検証を行うこととした。 左目の水晶体等価線量では、放射線防護メガネのレンズの鉛当量が0.2 mmPbに達した段階で80%以上の散乱線防護率に達することが出来たが、右目の水晶体等価線量は散乱線防護率が80%以上に届かなかったため、鉛シートの貼付方法について再度見直しが必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
放射線防護メガネへの鉛シートの貼付方法を改良して、左右の目の水晶体等価線量が80%以上低減できるよう改善を行っていく。 また、放射線防護メガネの中に入射した散乱線については、ラジオクロミックフィルムをも技術者の頭部ファントムに貼付してX線に対する着色効果を応用することで水晶体周辺の線量分布を測定していく。
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