研究課題/領域番号 |
22K12942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
吉見 立也 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 健康長寿支援ロボットセンター, 研究員 (30277256)
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研究分担者 |
加藤 健治 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 健康長寿支援ロボットセンター, 室長 (30771216)
近藤 和泉 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 病院長 (50215448)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 音響 / 見守り / QOL / 日常生活活動 / 神経系疾患 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、様々な見守り機器が介護施設に導入されつつあるが、音響を用いたシステムは実用化されていない。近年、音響データから、日常生活動作を特定できるようになってきており、さらに声のトーンから健康・神経疾患や感情を推定する技術、3次元録音技術も発展しつつある。これらを組み合わせることで、感情や動作、運動量の推定を行いつつ見守りを行うシステムを開発する。 本システムによれば、介護施設の居室に複数のマイクを設置するだけで、高齢者の“生活の質”や “介護の質”に関連する客観的データを得られる可能性がある。そのような技術が、今、介護現場で必要とされている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、音響から、感情と運動関連の指標を自動的に取得するような見守りシステムを開発することである。 音響による 生活活動量の推定システムについて、今年度は、研究室居室内において健常成人が居室内を移動する様子を、2台のアレイマイクと、2台のモノラルマイクを設置し、それらの音検知角度からの音源位置推定を試みた。さらに、当センター内の生活支援実証室において、マルチアレイ音検知カメラで撮影することによる音源位置推定を行った。音源(対象者として研究員)は、素足(靴下)での歩行、スリッパの歩行、スリッパに小型鈴を付けた歩行、そして、熊よけベルを付けた歩行を行った。 上記、2種の検証結果において、壁への反響から生じる多くの反射音が観察され、鈴等の音源位置推定を精度良く行うことは、壁がむき出しの研究室のような部屋では比較的困難であることがわかった。ただし、主音源だけを追えば、その軌跡を取得することが可能であることを確認した。その中で、借用して試用した音検知カメラでの計測は、素足での歩行においても、音源位置の推定が高精度に可能であったことから、この技術は精度良く使用できる可能性が示された。 一方、当センターの生活支援実証室に設置されている3Dモーションキャプチャ用のカメラセッティングを見直し、室内側、および室外側においても、対象者の位置推定を行うことが可能となった。今後、このデータと音響から得られる位置推定データとを比較検討する段階となる。 最後に、QOL推定システムに関しては、「のどスキャン」(株アニモ)等、民生のソフトウェアを用いて、試験的に推定を行い、システムとしての応用ができるか検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度において、個々の要素技術についての確認は行ったが、全体的なシステムとしての統合については、現時点では実施できておらず、やや遅れがある。本年度は、介護施設への立ち入りがほとんど制限されており、研究室内での実験を行ったという経緯も原因のひとつである。 今後は、介護施設においても音源を収録するなど、鋭意進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
当初、アレイマイクとモノラルマイクによって、音源(対象者)の位置推定を行い、そこから生活活動量を求める予定であったが、設置環境によっては、マルチアレイ音検知カメラの導入が必要である可能性もある。音検知カメラに関しては非常に高価なシステムであるため、代用としては、既存の安価な見守りシステムとの併用も考慮し、研究目的であるシステムとしてのQOLの推定システムの構築をすすめる。
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