研究課題/領域番号 |
22K12943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
島村 俊介 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (10445190)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 動物介在活動 / イヌ / 心拍変動解析 / ストレス / アニマルセラピー / ストレス指標 / 犬 |
研究開始時の研究の概要 |
動物との触れ合いは、ヒトに生理的、心理的、社会的に肯定的な効果を持つことが知られており、その効用はアニマル・セラピーとして広く活用されている。しかし、活動の安全面、あるいは動物福祉の面から参加動物への負担が懸念されているものの、セラピー中の動物のストレスを評価する方法がないため、関係者の経験的判断に依存しているのが現状である。 申請者は心拍変動解析を用いた先行研究において、イヌの家庭環境における自律神経活動を解析し、ストレス指標として利用できうることを明らかにした。本研究では、心拍変動解析を用いてイヌのストレスを検証し、セラピーに参加する犬のストレス評価指標としての実用を目指す。
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研究実績の概要 |
動物との触れ合いは、ヒトに生理的、心理的、社会的に肯定的な効果を持つことが知られて おり、その効用はアニマル・セラピーとして広く活用されている。 しかし、活動の安全面、 あるいは動物福祉の面から参加動物への負担が懸念されているものの、セラピー中の動物のストレスを適切に評価する方法がないのが現状である。本研究課題では、未だ確立されていないセラピーに参加するイヌのストレス評価指標として、心拍変動解析による自律神経活動指標の有効性を科学的に明らかにすることを目的とした。 昨年度の解析結果より、研究対象としているR.E.A.Dプログラムに参加しているイヌは、過去の他のプログラムへの参加経験や日頃の訓練により活動に対する馴化が進んでいることが推察された。結果として、当初予定していた「分離不安」や「新奇環境刺激」は、ストレスとして検出することができなかった。そのため、研究計画における“イヌのストレス指標の基準設定”や“イヌの新奇環境刺激への影響とその馴化過程を評価”については評価困難となった。そこで、本研究において解析に用いているポアンカレプロット解析の自律神経活動の評価指標としての感度について薬理学的モデルを用いて検証し、本研究課題における解析手法としての適正を明確にした。 “R.E.A.Dに参加するイヌのストレス評価”に関して、昨年度に引き続きこうべ動物共生センターで開催されるR.E.A.Dプログラムに参加するイヌを対象にサンプリングを実施した。コロナ禍の影響による開催回数制限もあり、予想していたよりもサンプリング機会は制限されたものの、研究対象となるイヌを4頭に絞り、のべ12回分の心電情報、行動記録および唾液の収集を実施した。収集したサンプルに関しては、次年度に解析することで結果をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、こうべ動物共生センターで開催されるR.E.A.Dプログラムにおけるサンプリング機会が減少したことが判断理由。 当初予期していないかった事としては、プログラムに参加するイヌの活動への馴化程度が十分であったために、ストレスが検出されにくいことが挙げられる。このため、心拍変動解析の手法について再検証を行い、今後の解析の基礎を固める事とした。
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今後の研究の推進方策 |
サンプリング機会は減少したものの、サンプリング数は十分であることから、収集したサンプルの解析を行う予定である。推進方策については、当初予定通りと考えている。 また、動物の自律神経活動には性格も大きく影響することから、イヌの性格判断に広く利用されているC-BARQを用いて、対象としているイヌの背景情報を明らかにし、解析結果をより明確にしたいと考えている。
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