研究課題/領域番号 |
22K12948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
新妻 実保子 中央大学, 理工学部, 教授 (10548118)
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研究分担者 |
戸井 武司 中央大学, 理工学部, 教授 (90286956)
森田 和元 中央大学, 理工学部, 共同研究員 (40419122)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ソーシャルロボット / 人-ロボットインタラクション / パーソナルスペース / 社会的行動 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
期間全体の研究計画の概要を示す。 1) 高齢者の音像定位能力,及びその個人差を明らかにし,ロボットからのメッセージ伝達に適した距離を明らかにする。 2) 動物行動学をベースにしたソーシャルロボットの行動生成に,報酬的行動,懲罰的行動という指標を導入する。実験を通じて高齢者の行動を引き出すことへの効果を評価し,ロボットの行動生成モデルを構築する。 3) 人の行動を引き出すためのソーシャルロボットと人とコミュニケーション手法の確立を目指し,人の行動を引き出すための近接学及び行動生成手法についての課題を若年者と高齢者とで比較し,その特徴を明らかにする
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研究実績の概要 |
本研究は,高齢者の知覚,認知能力にあったソーシャルロボットによる生活支援のためのコミュニケーションについて,近接学及びロボットの行動生成モデルの観点からその手法を確立しようとするものである。これまでソーシャルロボットと人のコミュニケーションについて多くの研究がなされている。特にソーシャルロボットと人との適切な距離の取り方についてパーソナルスペースの観点から様々な検討がなされている。人がロボットに対し不快感を抱きにくい距離,ロボットとの社会的関係を踏まえた適切な距離についての知見は得られているものの,その距離がどの程度メッセージの伝達や行動の誘導に適しているかは明らかになっていない。また,もう一つの課題は,これらの検討は大学生など若年層の被験者を対象に実施されている場合が多く,知覚・認知能力に大きな差があると予想される高齢者を対象に実施された例はあまり見られない。そこで,2022年度は,ロボットの外観・サイズと,人との距離感を変えたときのコミュニケーションの受け取り方について,成年被験者群と高齢被験者群とで評価実験を行った。 ロボットの外観としては,車輪型移動ロボットに表情提示機能のみを有するロボットと車輪で移動する人型ロボット(Pepper)を使用した。ロボットから人へ作業指示を行う際の距離感を変えて実験を行った。コミュニケーションを通じたロボットの社会的属性についてRoSASを用いて評価した。その結果,ロボットの外観に対する好感度については,成年被験者群ではロボット間で有意な差はなかった。一方,高齢被験者群については車輪型移動ロボットよりも人型ロボットの方が有意に好感度が高い結果となった。距離感に関しては,高齢被験者群ではロボットの近い距離に対して温かさの項目で高いスコアを示したのに対し,成年被験者群ではロボットの近い距離に対して不快感の項目で高いスコアを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に計画した内容を計画通り実施でき,2023年度前期に計画した検討も始められていることから,おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には,報酬的行動,懲罰的行動のモデル化と実装,及び行動誘導のための行動系列の生成の課題に取り組む。報酬的行動,懲罰的行動を表すジェスチャーの選定,それぞれのジェスチャーに対する印象評価を行い,それぞれのジェスチャーのコミュニケーションにおける効果を実験的に明らかにする。それぞれ明らかになった後,行動誘導のための行動計画に取り組む。
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