研究課題/領域番号 |
22K12949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
吉川 厚 立教大学, 人工知能科学研究科, 特任教授 (50444120)
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研究分担者 |
高橋 聡 関東学院大学, 理工学部, 准教授 (80630897)
藤堂 健世 関東学院大学, 理工学部, 助手 (10967475)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 問診 / 対話エージェント / 外見特性 / 対話機構 / 対話 / エージェント |
研究開始時の研究の概要 |
診療前の待ち時間に、診療に直接関係しない雑談も含めた話し相手になることで、患者による医療従事者へのリスペクト行動としてのごまかしを補正したり、患者が提供を躊躇する事項を信頼構築により引き出せたりするエージェントを作り出そうとしている。本研究では、患者が自身の情報を渡しても良いと思えるエージェントの特性を明らかにするとともに、機微情報を扱う場合も患者が身構えること無くある程度長い時間の対話が可能で、その対話の中で整合的な情報を入手できるような対話システムを作る
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研究実績の概要 |
大きく2方向に研究を行った。1つは対話エージェントにキャラクターを設定し、そのエージェントの外見を変えることで話しやすさ、特に機微情報に対する話しやすさに対する実験を行った。ここでの成果は非人間-人間のキャラクター、医療関係者-非医療従事者の姿などを見せて、医療目的的な機微情報に対する話やすさを調査した。その結果、人間の属性があれば一般的な対話においては話しやすさが担保されるが、医療目的の機微情報の開示に関しては医療従事者でないと話しにくいことがわかった。また、キャラクターは、必ずしも描かれている当人だけではなく、背景画においても影響を受け、背景との組み合わせで話しやすさが変化することがわかった。2つ目の対話の仕組みに関する研究では、人間同士においては傾聴を行うと話しやすくなるという研究結果をうけて、対話エージェントを利用した医療問診においても同様なのかを確認する実験を行った。その結果、言い換えたり共感したりする対話を入れないと、事務的と感じてしまうことが示され、しかし、そのような対話を入れすぎると馴れ馴れしいとか、くどいというネガティブな印象をもたれやすいこともわかった。さらに、レスポンスタイムを変化させると、遅いほうが使用者の印象が悪い結果を得た。さらに、質問を選択式のみか、自由入力も入れるかでも同様のことを行い、質問数が少なければ解答を自由入力する形式で満足度も情報開示も良くなることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2つの研究は概ね順調に推移しており、3件の発表を行った。今年度は昨年度の成果をうけて、論文化を考えている。さらに、生成AIの可能性もうけて、機能をうまく調整した対話システムの構築を考えている。 また、研究協力者も増え、研究体制が拡充している。
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今後の研究の推進方策 |
外見特性は機微情報を開示しなければならない相手の認識をどのようにするのかに関する実験を行うことと、表情の時間的な変化などをキャラクターの変化による特性を推進することを計画している。対話機構は専門的な対話と日常的な対話を交えて話しやすさをどのように構築するのかという研究も立ち上げ、対話としての話やすさを進める予定である。
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