研究課題/領域番号 |
22K12954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
加納 伸也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20734198)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | センサ / 体水分 / 脱水 / 呼気 / 湿度 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの脱水予防への活用を志向した、呼気中の水分量を定量的に計測する技術を開発する。 ヒトの呼吸動作を模擬した試験環境を構築して湿度センサを評価し、呼気中水分量の正確で高速な計測が行える仕組みを提案する。計測デバイスのプロトタイプを試作し、パイロットスタディを通して、実環境での呼気中水分量の定量計測を検討する。ユーザーのニーズに合ったデバイスを開発し、研究終了時に開発パートナー企業を得て、妥当性試験の実施へつなげることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、呼気中の水分量を定量的に計測する技術を開発する。ヒトの体内に存在する水分量は、脱水予防の観点で重要であるが、その水分量を簡易的に評価することは難しい。ヒトの脱水予防への活用をめざして、本技術開発を進めている。R4年度は以下の研究を実施した。 呼気湿度計測に適した湿度センサの選定を進めた。既存の電子式湿度センサだけでなく、研究代表者の開発する湿度センサも含めて候補とした。高湿度空気に触れた際の応答性の追従性(応答時間、回復時間)や、高湿度環境における性能劣化を評価した。まず、それぞれの評価に必要な計測セットアップを検討した。センサデータの収集に必要なアプリの設計・計測の立ち上げと、ヒトの呼気に類似する高めの相対湿度、体温程度の調湿ガスの供給の方針を決定した。これらを活用してセンサ評価を行い、呼気湿度を計測することに適したセンサ抽出をすすめた。その結果、センサ応答が飽和するまでにかかる時間は、最短でも10~20秒あることがわかった。また、その応答時間は、センサの配置されている環境によっても変わる可能性があることがわかった。 呼気中水分量計測デバイスの利用ニーズを把握するため、脱水症予防に関する調査を進めた。脱水症予防の知見を有する医学・スポーツ科学・生理学の研究者にヒアリングを行い、本技術の適用可能性について検討を行った。簡易に体水分量評価に活用できると、脱水症のリスクがある場面での利用が可能となることを、確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り、大気中の空気と比べて、高温高湿度の空気を計測することに適した、湿度センサの候補を抽出することができた。脱水症予防の知見を有する研究者とのネットワークの構築も進め、今後の研究連携へのきっかけをつかむことができたと認識している。以上の点を考慮し、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
R4年度に選定した湿度センサの応答を解析することで、過渡的な応答から短時間でガス中水分量を推定する方法を検討する。これまで実施した研究では、外気の影響はそれほど大きく計測結果に影響しないという結果を得ている。そこで、当初研究計画から変更を加え、調湿ガスの温湿度・センサ計測温湿度の4要素に絞って、それぞれのパラメータの相関関係を網羅的に調べる。この結果を基にデータのモデルを作成し、真のガス中水分量の推定を試みる。形成した推定モデル・湿度センサを活用して、呼気中水分計測デバイスのプロトタイプ試作と、計測のパイロットスタディに必要な物事の調査・準備に取り掛かる。
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