研究課題/領域番号 |
22K13001
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
中田 健太郎 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 講師 (90727736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マンガ / シュルレアリスム / フィギュラシオン・ナラティヴ / ヌーヴォー・ロマン / 前衛芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、シュルレアリスム以降の前衛芸術運動におけるマンガ表現を主題とする。主な研究対象とするのは、1960年代のシュルレアリスム、フィギュラシオン・ナラティヴ、ヌーヴォー・ロマンであり、それらの前衛芸術運動の掲げた理念・方法論が、マンガ表現においてどのように実践されたのか、という問題を検討する。この検討は、前衛芸術についての美学研究と、前衛的なマンガ表現をめぐるマンガ研究という、二つの研究領域を架橋しつつ展開される。
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研究実績の概要 |
本研究は、シュルレアリスム以降の前衛芸術運動におけるマンガ表現を主題とするものである。とりわけ、1960年代のシュルレアリスム、フィギュラシオン・ナラティヴ、ヌーヴォー・ロマンなどを対象としつつ、前衛的な芸術の理念がマンガ表現においてどのように実践されてきたのかについて、具体的な検討を行うものである。そのため本研究は、前衛芸術をめぐる美学研究と、前衛的なマンガ表現をめぐるマンガ研究を架橋しつつ進められる予定である。 研究計画の二年目にあたる2023年度には、シュルレアリスム・グループにおける最も著名なマンガ家とも言える、モーリス・アンリについての研究を行い、論文「モーリス・アンリ、あるいはシュルレアリスムと一コママンガ」(『静岡文化芸術大学研究紀要』24号)を執筆・発表した。また、1960年代のシュルレアリスムにおけるマンガ的表現についても調査を行い、講演「展示とレイアウトーーシュルレアリスム・マンガの事情をめぐって」(シュルレアリスム宣言100年記念講演会)において発表した。そして、ヌーヴォー・ロマンの理念にかかわるマンガ表現を展開した、マーティン・ヴォーン=ジェームズについての研究をつづけ、本研究期間以前に行っていた発表内容にもとづく論文を執筆した(同論文は、水声社より近刊の論文集に収録予定)。なお、上記三件の、今年度の研究成果は、科研費課題「アンドレ・ブルトンにおける1940年代以降の自動記述の視覚的・造形的性質」の成果でもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィギュラシオン・ナラティヴに関する調査・研究は、当初の予定よりも遅れている。とはいえ、1960年代のシュルレアリスムに関しては、当初予期していなかった発表機会と、調査成果があった。マーティン・ヴォーン=ジェームズに関する研究にも、一定の進展が見られた。総じて、予定されていた研究計画は、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
フィギュラシオン・ナラティヴに関する調査・研究をすすめる。また、ここまでの成果にもとづきながら、マンガ表現と前衛芸術の関係性を位置づけるための作業に着手する。
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