研究課題/領域番号 |
22K13007
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田中 咲子 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (00641101)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 古代ギリシア美術 / 葬礼美術 / 死生観 / 彫刻 / 墓 / 古代ギリシア / 精神史 / 感情史 |
研究開始時の研究の概要 |
古代ギリシアの墓碑浮彫りの研究は、墓域全体の考古学調査もあるものの、いまだに墓碑図像に偏重する傾向がある。そこで本研究では、図像、碑形、サイズ、建立地、建立者など墓碑にまつわる諸要素を数値化して統計処理の可能なデータベースを作成することにより、いわゆる名品の図像を中心に組み立てられてきた従来の「標準的墓碑像」を問い直す、新たな標準像を提示する。本研究はデータベース解析を援用して古代ギリシアの墓碑体系の再構築を目指すものであり、つまり大小さまざまな墓碑が林立する当時の墓地の景観を時代ごと、地域ごとに再現するものといえる。
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研究実績の概要 |
2022年度は次の4項目の活動を行った。①筑波大学長田年弘教授主宰「パルテノン彫刻研究会」における研究発表、②現地調査の打ち合わせを兼ねた研究会、③ギリシャ及びウィーンでの作品調査、そして④墓碑作品データの整理である。①の研究会では論点整理を兼ねて、墓碑に頻出する仕種の一つである「頬杖をつくポーズ」について、パルテノン・フリーズ東面の「デメテル像」との関連から論じた。②の現地調査のための研究会では、研究協力者を交え、これまでの研究状況に関する報告、及び調査先に関するレクチャーを行った。③のギリシャにおける現地調査は、9月2日より18日にかけて、アッティカ地方のヴァリ、ラヴリオン、ソリコス、スニオン、エヴィア県(エウボイア島)のエレトリア、レフカンディ、カルキス、そしてアテネ市内で実施した。アテネ市内における調査先はアテネ国立考古学博物館、ケラメイコス墓地遺跡である。エヴィア県は当初2023年度に調査を予定していたが、日本国内の研究者と合同で調査を行えることとなり、一年前倒しで実施した。ウィーンでは、美術史美術館の古代コレクションにおける古代ギリシアの墓碑や陶器の調査の他、19世紀に新たに整備されたウィーン市の共同墓地において調査を行った。また、墓碑作品データの整理については、青年像とりわけアスリート像として表された青年像について、近年の研究動向の調査を含めて行った。その結果、次年度、実見調査に追加すべき対象がいくつか明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では対象作例の整理をほぼ終える予定であったが、近年の研究動向の整理に時間を要していることから、その点では進捗が芳しくない。また当初は年度末~次年度(2023年度)初めにオーストリア、インスブルック大学にて開催のオーストリア考古学会で本年度の成果を口頭発表する予定であったが、インスブルック大学の施設設備上の理由で、学会開催が一年延期となった。そのため、予定していた口頭発表が1件実施できなかった。 他方、当初計画ではエヴィア県の調査を2023年度に行う予定であったが、日本国内の別の研究組織と合同で調査を行うこととなり、これを1年前倒しで実施することができた。また、ウィーンでの調査は当初、古代作品のみを対象とする予定であったが、ウィーン市墓地を調査対象に組み入れたことにより、新たな視点を本研究に導入することができた。 当初計画よりも進捗が遅れている面もあるものの、前倒しで行った調査などもあることから、概していえばほぼ当初計画通りといえよう。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、現在遅れている墓碑のデータ整理を進め、終了させる。現地調査については、9月にギリシャのヴォイオティア県テーベを中心とした調査を実施する。アッティカ県のピレウス博物館が所蔵する墓碑の実見調査が望まれることから、これについても実施する予定である。 また、昨年度開催予定であったオーストリア考古学会は2024年度初め(4月)に延期となっているが、2023年度中に国内で口頭発表と論文投稿を行うべく、準備を進める。
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