研究課題/領域番号 |
22K13037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 基礎研究 / 海外調査 / 矛盾発見 / 赤い鳥 / 南ヨーロッパ文学 / 文学受容 / 比較文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、大正時代の児童文学雑誌『赤い鳥』において海外文学、ことに南ヨーロッパ文学(スペイン文学・ポルトガル文学・イタリア文学)はどのように受容されたのかを明らかにすることである。これまでの研究は『赤い鳥』と南ヨーロッパ文学の関係に触れて来なかった。ゆえに本研究は『赤い鳥』研究に新しい視点を提供するものである。異文化理解が強く求められる現社会にあって『赤い鳥』の外国文学は、異文化理解の歴史上の一例として意義深い。それだけでなく、大正時代の児童文学者の外国文学への態度や扱い方などを理解することによって、当時の日本文学と海外文学との関係をめぐる枠組もより明瞭になる。
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研究実績の概要 |
現在までの研究実績は以下の通りである。 (1)基礎研究を行った。詳しく述べると、先行研究を精読し、「赤い鳥」に掲載された外国人作家を整理し、本科研費のテーマである、南ヨーロッパ文学と関係のある作品を徹底的に絞った。この基礎研究を行うことによって、「赤い鳥」における外国人作家の全体像を把握することができ、先行研究に様々な矛盾があることを発見した。 (2)海外の3つの大学から協力を得て、「赤い鳥」を中心に、1ヶ月のオンラインPBLセミナーを開催した。週に1回(各回2時間)Zoomで様々な国籍の学生を集め、「赤い鳥」の作品を皆で読みながら、ディスカッションし、最終発表を行った。 (3)ポルトガルの国立図書館において調査を行い、資料を集めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「赤い鳥」の外国作家を研究対象にすることによって、以下の難点が克服しにくく、予想外に時間がかかっている。 (1)作家が確定できない場合がある。 (2)再話の典拠が明示されないことによって、確定し難い。 (3)編集者によって再話アレンジ方法が異なるため、まとまりがない。
それにも関わらず、本研究のテーマである南ヨーロッパ文学と関係がある作家および作品をおおよそ確定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は以下の通りである。 (1)5月末に国際学会において「赤い鳥」における外国人作家に関する研究成果を発表する。(2)6月に国際学会において、エキゾチシズムの視点から分析した「赤い鳥」の南ヨーロッパ関係の数作品の研究成果を発表する。(3)南ヨーロッパ文学の作品の精読及び分析を続ける。(4)今年の2月から始まった「赤い鳥」関係の新しいプロジェクトを展開する。このプロジェクトは、「赤い鳥」の童話をスペイン語圏の国々で紹介するものである。最終的に、本を出版する予定。「赤い鳥」の6話をスペイン語に翻訳し、「赤い鳥」に関しての総合解説、日本出身のイラストレーターがデザインしていただく挿絵も加える。(5)イタリアの国立図書館で調査を行う。(6)今年末に研究成果をまとめた論文を掲載する。
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