研究課題/領域番号 |
22K13098
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
張 佩茹 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00748931)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 台湾華語 / 事態の既実現 / 否定 / 既実現 / 非実現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、台湾華語文法の体系的研究の一環として、台湾華語における事態の既実現と非実現の言語化に関わる文法事象を包括的に取り上げ、それらの意味的および文法的特徴を、「普通話」(=中国大陸で標準語として用いられている漢語)および「台湾ビン南方言」(台湾人口のおよそ8割が日常的に用いる漢語方言)と対照しつつ、体系的かつ理論的に明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、台湾華語(台湾の公用語)を研究対象とし、事態の既実現と非実現の言語化に与る台湾華語の文法形式および文法構造の意味的・文法的特徴を明らかにするものである。台湾華語は、中国の標準語である普通話と多くの類似点をもちつつも、長い歳月を経て独自の変容を遂げてきた。そのうち、事態の既実現の言語化に関しては助動詞の“有”、事態の非実現の言語化には助動詞の“会”が最も研究の蓄積が多いテーマである。
2年目にあたる令和5年度は、事態の既実現の否定に用いられる副詞について考察をおこなった。現代中国語において、動作動詞の場合、已然の出来事の否定には通常“没有”が使われ、未然の出来事の否定には“不”が使われる。いっぽう、動作より状態に近い心理動詞や感覚動詞の否定には、已然の場合でも“不”が使われる。また、一部の動詞に関しては、已然の場合は普通話(中国の標準語)では“没有”も“不”も使用され、相互に置き換えが可能だと主張する先行研究がある。今年度の研究では、先行研究のその分析の妥当性を検討したうえで、台湾華語の使用状況をコーパスで調査した。調査の結果、書き言葉のデータを中心に収集されたコーパスにおいて、台湾華語の心理動詞は已然の場合でも“不”を用いて否定する傾向が強いことを明らかにした。
今年度は否定副詞の用法を中心に研究をしてきたが、普通話と比較することによって、台湾華語の特徴がより浮き彫りになったと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
台湾華語の否定表現について、研究ノートの形で論考を公表した。また、口頭発表も行い、今後の研究の推進に有益な意見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では書き言葉が中心のコーパスを利用して研究しているが、今後は調査範囲を広げ、話し言葉のデータを取り入れる予定。
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