研究課題/領域番号 |
22K13112
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
RIESER Lukas 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10886550)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 形式語用論 / イントネーション / 形式言語学 / 語用論 / 意味論 / 対照言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
言語を日常で使うときには、日本語における終助詞や、世界のどの言語にもおけるイントネーションなど、話し手の心境や態度を表すことは必ずある。ただし、「客観的な事実」よりも、主観的な内容を表すこれらの意味は、論理的に整理しにくい。本研究では、声調があるので、イントネーションよりも、終助詞のような語彙の役割が大きいベトナム語やタイ語と、イントネーションの役割が大きい言語を対照的に分析し、上記のような意味をどうやってより正確に把握できるのかを考える。主観的な意味を論理的に把握することができれば、言語を使うときの人の脳の働きについても、新たな発見が期待できる。
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研究実績の概要 |
初年度に実施予定の課題「分析対象の拡大、現象の調査・整理」および「既存の形式枠組みの調査・検討」につきましては、下の通りの研究活動を行いました。
文献調査および考察で、本研究で築く予定の新枠組みの基盤である概念「前定と想定」の既存の枠組みでの分析可能性についての基礎的な調査を行った結果、2年度目および3年度目に行うイントネーションパターンの意味とそれに相当する表現の記述および分析に用いうる形式論理の部分を特定できました。これにより、どのような現象を対象にすれば、新枠組みの有意義性を検証できるかを特定できるようになります。
「前提と想定」の枠組み、およびイントネーションパターンの多言語における多様性についての情報交換および学術上の議論を行うため、ポーランド・ポズナンのアダム・ミツキェヴィチ大学で行われる、アジアの言語から導かれる言語学研究をテーマとする国際学会「Linguistics and Asian Languages」に、23年3月に、「On the grammaticality of pragmatic meaning in prosody」(韻律における語用論的な意味の文法性について)というテーマを発表し、その後はベルリンのLeipzig Zentrum fuer allgemeine Sprachwissenschaft(ライプニッツ総合言語学研究所)にて、客員研究員のElin McCready教授の招待で、形式語用論の専門家とこれからの研究予定について議論し、非常に有意義の情報を得られました。なお、本研究ですでに対象にしている現象(イントネーションパターン)には、既存の枠組みではその意味を把握できないようなものがあることも、語用論的な意味の専門家との議論でわかり、研究課題の焦点が有意義であることが期待されます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の「研究実績の概要」のとおり、初年度に行う予定の研究課題のステップ[A]「分析対象の拡大、現象の調査・整理」および[B]「既存の形式枠組みの調査・検討」につきましては、おおむね順調に進展しております。次に、調書の順番づけの通り、詳細について説明します。
[A]につきましては、1.前提と想定の役割を体系的に整理すること、3.情報構造に対象を拡大すること、および4.(1.および2.で把握できている範囲の)各現象を簡易枠組みで把握できました。なお、2.中国語、タイ語、ベトナム語に対象を広げることにつきましては、下記「今後の研究の推進方策」を参照されたいです。
[B]につきましては、1.([A]で把握できている範囲の)現象に適用されている既存の枠組みの調査、および専門家との議論が順調に進んでいます。2.と3.については、ステップ[A]がほぼ完了する見込みの時点でほとんど研究活動を行う予定なので、これについても下記を参照されたいです。
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今後の研究の推進方策 |
これからの研究活動については、上記の「現在までの進捗状況」のとおり、2年目の課題は主に[A]2.中国語、タイ語、ベトナム語に対象を広げることおよび、[B]2.と3.新枠組みの必要な機能、それに適する既存の形式枠組みの把握になります。このために、文献調査および考察の他に、さらに学会などでの議論が必要になりますので、多数の国内外の学会に応募し、初年度の研究成果およびこれからの研究成果を発表する予定です。これにより、次のステップのための論理的な基盤を築く予定です。
2年目中に始まるステップ[C]については、これから準備を進め、検証のために対象となる現象を決めたうえ、検証の方法(イントネーションパターンの記録と分析、インフォーマント調査など)を決めたうえ、3年目に本格的な応用の段階に進められるように準備を進める予定です。
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