研究課題/領域番号 |
22K13143
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
今泉 智子 山形大学, 学士課程基盤教育院, 准教授 (80871277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 協働 / 国際共修 / 談話分析 / 日本語教育文法 / 語用論 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化が進む現代において、異なる言語・文化背景を持つ人々との協働は必要不可欠なものとなっている。本研究は、初級レベルの日本語学習者が日本人との協働活動に主体的に参加することを支援する「協働のための初級日本語教育」の開発に向けた基礎的研究である。まず、協働に必要な日本語とはどのようなものかを明らかにするために、日本語母語話者と非母語話者の協働場面における会話データを収集し、どのような言語形式がどのように協働に貢献しているか分析する。その結果に基づいて、初級日本語学習者が協働に参加するために必要な学習項目を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、初級レベルの日本語学習者が日本語で協働に参加することを支援する「協働のための初級日本語教育」の開発に向けた基礎的研究として、以下の二点を明らかにすることを目的とする。一つ目は、日本語母語話者(以下母語話者)と日本語非母語話者(以下非母語話者)の協働場面において、共通言語としての日本語がどのように使用されているか(どのような文型がどのような機能をもって使用され、どのように協働に貢献しているか)である。二つ目は、初級日本語学習者が主体的に協働に参加するために必要な文型はどのようなものかである。 2022年度は主に協働場面における会話データの収集と整理を行った。2023年度の研究計画は主に、1)データ収集の継続、2)収集したデータにおける使用文型の量的分析、3)収集したデータの談話分析、の3点であった。1)に関しては、前年度に引き続き、研究代表者が所属機関で開講する国際共修授業におけるグループワークの音声データを収集し、書き起こしを行った。2)に関しては、収集したデータのうち、文化比較をテーマとした会話を対象とし、母語話者、非母語話者の発話の役割を量的に分析した。その結果、非母語話者による情報提供が多く、情報要求などの働きかけ、および、注目表示や感想評価表示などの受容・反応が少ない傾向にあることが明らかになった。これにより、非母語話者の聞き手行動を促進させる必要性が示唆された。3)に関しては、初級レベルの非母語話者が参加する会話においてコミュニケーションに困難が発生した際、会話参与者がどのような行動をとっているかを観察した。その結果、同じ母語の話者同士での仲介活動や媒介語の使用、他者よる言い換えなどによってコミュニケーションを達成していることがわかった。以上の研究成果を国内外における学会で報告するとともに、異文化間コミュニケーションに関する情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
量的分析における発話の分節化と各発話のタグ付けに時間を要したため、収集したデータのうち限られたデータの分析のみにとどまっている。また、母語話者・非母語話者の会話の役割に関する分析を行ったが、文型に基づく量的分析の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
すでに収集したデータに関して、文化比較以外のトピックに関する会話データの質的分析を行う。また、文型に基づく量的分析を進める。それらの分析結果をまとめ、研究発表または論文として成果発表を行う。さらに、分析結果に基づいて、大学における協働に必要な文法項目のリストを検討する。
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