研究課題/領域番号 |
22K13145
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福良 直子 大阪大学, 国際教育交流センター, 講師 (90822164)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アカデミックプレゼンテーション / 理工系研究室の留学生 / 中級未満の日本語レベル / 論理的思考力の涵養 / 研究室構成員の関与 / プレゼンテーション教育 / 留学生 / 理工系大学院 / 日本語中級未満 / 教材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、理工系大学院に所属する日本語レベルが中級未満の留学生を対象とした、アカデミックプレゼンテーション(以下AP)の効果的な教育方法を開発することである。特に理工系留学生は、日本語が中級未満の段階で研究活動を始める学生が多いが、日本語教育学における関連研究は少なく、効果的なAP教育方法も確立されていない。本研究では「理工系研究室の留学生が抱える日本語によるAPの困難点」と「理工系研究室における留学生のAP学習への関与の現状」を調査した上で、留学生と研究室構成員の声を反映させたAPの教育内容・方法を提示し、教材を試作する。その後、関係者からフィードバックを得ることで評価・検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、理工系大学院に所属する日本語レベルが中級未満の留学生を対象とした、アカデミックプレゼンテーション(以下AP)の効果的な教育方法の開発を目的とするものである。本研究では、留学生と研究室構成員の声を反映させたAPの教育内容・方法を提示し、教材を試作し検証することを目指している。令和5年度は、昨年度に引き続き「理工系研究室における留学生のAP学習への関与の現状」を明らかにするために、調査への協力が得られた理工系研究室の教員に対して、半構造化インタビューを実施した。教員4名に対するインタビューデータを文字化し、比較的小規模の質的データの分析にも有効とされる、SCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析した。その結果、理工系研究室における留学生のAP学習にとって、論理的思考力の涵養が最も重視されている一方で、その指導には何度も議論を重ねる必要があり、相当の時間を要することが示唆された。また、日本語レベルが中級未満の留学生へのサポートとして「発表台本の作成と音読練習」および「指導内容を絵に描いて残す」といった工夫がなされていることがわかった。教員による個別指導に加え、間接的指導、自主的に行われる学生同士の学び合いといった、研究室におけるさまざまなコミュニケーションにより、研究室への参加を促す関与が重要な役割を果たしていることが明らかになった。上記の結果をまとめ、第1回タイ国日本語教育国際シンポジウムにおいて口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の研究課題は、以下の3点である。(1)理工系研究室の留学生が抱える日本語によるAPに関する困難点を明らかにし(2)研究室におけるAP学習への関与の現状を調査した上で(3)AP教材の開発と評価を行う。当初の予定では、令和5年度に(1)の調査と分析を実施する予定であったが、(2)の調査および分析に時間がかかり、完了できなかった。今後は(1)の留学生への調査を進めつつ(3)の課題に取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
留学生に対するインタビューにより、APに関して現在抱える困難点をその理由とともに分析する。これまでの調査で明らかになった、研究室構成員による留学生のAP学習への関与を踏まえ、留学生と研究室構成員の声を反映させたAPの教育内容・方法を提示し、教材を試作する予定である。
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