研究課題/領域番号 |
22K13151
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
半嶺 まどか 名桜大学, 国際学部, 准教授 (10883845)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 言語権 / バイリンガリズム / ニュースピーカー / 言語再活性化 / 第二言語習得 / 少数言語 / アイデンティティ / 感情と言語 / 継承言語 / 言語計画政策 |
研究開始時の研究の概要 |
消滅危機言語の継承に取り組む海外の2つの国の取り組みを比較分析し、言語継承アプローチの開発を行う。研究方法としては、先住民性を意識した研究方法の研究枠組みを取り入れた参加型アクションリサーチを用いる。特に、ニュースピーカーと呼ばれる新しい話者に対して、個人またグループインタビューを行う。また、コミュニティの当事者として少数言語を学ぶ「新しい話者」に焦点を当て、ことばの継承とアイデンティティについて分析する。インタビュー内容は事前に準備し、実施後に質的分析をする。分析結果をもとに、琉球諸語の話者の尊厳を回復し、言語権を守り、多様性を意識した継承アプローチをワークショップを通して開発する。
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研究実績の概要 |
2022年8月9月にアイルランドでの学会(British Association for Applied Linguistics) へ参加し、そのあとにマン島でのフィールド調査を行った。ニュースピーカーといわれる世代とは、第二言語として、危機言語を学んだ若者の世代のことを指す。その当事者や、それを支える政策関係者にインタビューを行った。また、マン島語をイマージョンで教える学校の教師2名にもインタビューを行った。その結果、マン島での言語再活性化の報告を、2023年3月に沖縄県読谷村で開かれた琉球継承言語研究会で発表した。論文を現在執筆している。また、琉球諸語のニュースピーカーについてのインタビューも同時に進めており、その結果をまとめた論文は、Heritage Language Journal から今年に出版される。また、その研究の一部としては、Springer 社から2023年に出たDiscourse of Idenitity, Langauge Learning, Teaching and Reclamation Perspectives in Japan の本の一章として、出版した。琉球列島の場合、ニュースピーカーは全体で100名程度という報告もあるが、ディアスポラと言われる海外や沖縄・鹿児島県外の移民コミュニティも含めるともっと多いだろうということがこの研究から明らかになった。特に、過去の歴史的、社会的排除やそれに伴う差別の経験もあるため、ニュースピーカーは、学習が困難になることがあることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、ほぼ計画通りに進展している。昨年度は、コロナウイルス感染症の影響も少なくなり、海外でのフィールドワークが実施できた。また、琉球列島内でのインタビューやフィールド調査も大学の授業の合間に実施することができた。また、オンラインではあったが、イギリスのマン島の専門家を琉球継承言語研究会にゲストとして、招聘し、コミュニティとの共同的な言語の再活性化の例を話してもらうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、マン島や北欧でのフィールドワークを継続するとともに、琉球列島でのニュースピーカーの育成や、より良いアプローチの開発を続ける。他の科研や研究費とも共同で、海外の危機言語コミュニティの関係者を招聘し、効果的な言語の継承アプローチをコミュニティのメンバーと共に学ベる会を催したい。
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