研究課題/領域番号 |
22K13156
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
伊澤 明香 関西大学, 外国語学部, 准教授 (70846899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 外国につながる子どもへの教育支援体制づくり / 外国人少人数在籍校 / 外国人散在地域 / 教育委員会との連携 / 校内での連携 / 巡回指導 / 外国につながる子ども / 少人数在籍校 / 教育支援 / 連携・協働体制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は外国につながる子どもが少人数在籍する学校における教育支援の連携・協働体制の構築を目的とする。 全国的にも外国につながる子どもが少人数在籍する学校が多いにも関わらず、取り組みが取り上げられることは少ない。 そこで、本研究では教育関係者へのアンケート・インタビュー調査や授業談話分析、二言語アセスメント調査を実施する。その上で、効果的な教育方法を提案し、少人数在籍校における支援に有効な教育的枠組みの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
教育委員会主催の日本語指導力養成研修の講師を務め、実施後に、日本語加配教員(延べ数42)に対して研修の理解度、受講希望する研修内容、日本語指導上の課題についてアンケート調査を実施した。その結果、研修の内容については、小・中学校の教科指導につながる日本語指導の仕方や教材紹介といった具体的な事例も含めた実践的なものにニーズが高いことが分かった。日本語指導上の課題については、管理職・学級担任との校内での連携や巡回校での連携の難しさが挙げられた。これらの結果を次年度の研修内容改善に役立ててもらうように教育委員会に還元した上で、新聞社等メディア(30名)に向けて発信した。また、教育委員会と共に市内の日本語加配教員の配属校へ授業見学・助言といった巡回指導を行うことで日本語加配教員の個別の指導力向上の一助も担った。 外国人少人数在籍校である研究協力校は、2022年度に初めて日本語加配教員を配属し、学内で日本語指導に取り組むこととなった。外国につながる子どもへの日本語教育の支援体制づくりは重要であるが、現状では、教職課程に日本語の免許はなく、日本語加配教員は、日本語教育の専門知識がないまま突然担当教員として一任され、戸惑うケースが多い。そのため、新任の日本語加配教員に対して、個別の指導計画作成法や外国人児童生徒のための対話型アセスメントDLAのやり方など個別で指導を行った。学期中には日本語指導や在籍学級の授業見学も行い、児童の言語能力の把握に努め、助言を行った。学期末には、新任の日本語加配教員に対して1年目の日本語指導に対するインタビュー調査を実施した。外国につながる子どもへの教育支援体制づくりのための初年度の地盤を作ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査の結果を教育委員会に報告し、メディアに対しても発信できたのは、研究成果の教育現場への還元、社会貢献という観点から成果の一つとなったと考える。また初めて日本語指導が始まった研究協力校でも、新任の日本語加配教員への助言を行ったため日本語加配教員の指導能力向上という本研究の目的の一つは果たせたと考える。 ただ、フィールドは巡回指導の形を取っているため、研究協力校に日本語加配教員がいない曜日があり、授業見学は当初想定したより多くの時間を取ることができなかった。外国につながる子どもへの授業実践の事例収集や有益性の検証は次年度の課題としたい。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力校での授業実践を進める。具体的には、外国につながる子どもへの個別の指導計画・授業内容を日本語加配教員とともに学期初めに立案し、授業実践をPDCAサイクルで行う。その効果をアセスメント調査等で検証する。 学期末には日本語加配教員へ2年目のインタビュー調査を実施し、日本語加配教員としての指導や意識など1年目と比較して変容を明らかにする。
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