研究課題/領域番号 |
22K13164
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
申 知元 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (40908315)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 韓国語教育 / 異文化理解教育 / 日韓比較文化調査 / クリティカル・インシデント / 文化特定的側面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本の韓国語学習者を対象とした異文化理解教育の構築である。外国語教育学においては、言語能力と異文化コミュニケーション能力が同等の教育目標となっているものの、外国語を使用する際に起こり得る対人コミュニケーションの諸問題は教育内容として定められていない。本研究では、日本の韓国語学習者の異文化コミュニケーション能力が育成できる韓国語の教育内容と教育手法の構築に挑戦する。具体的には、(a)日韓比較文化調査に基づく、異文化理解教育の内容の構築、(b)クリティカル・インシデントによる教育手法の提案、(c)日本の韓国語学習者を対象とした異文化理解教育の教材とカリキュラムの開発、を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の韓国語学習者を対象とした異文化理解教育の構築である。2023年度の研究実績は以下の通りである。 (1)2023年度には2本の論文を発表した。一つ目は、『韓国語教育研究』に採択された「日韓対人コミュニケーションを題材としたクリティカル・インシデントの開発」である。当研究では、異文化トレーニングの知見を参考にし、韓国社会で共有されている対人コミュニケーションの知識・情報を取り入れた韓国語の教育内容および教育手法の開発を提案した。二つ目は、『グローバル・コミュニケーション研究』に掲載した「日本人韓国語学習者を対象とした会話教材の開発について」である。日本で出版された韓国語教材の分析を踏まえ、異文化コミュニケーション能力を育成する会話教材の在り方について考察した。 (2)2023年度には2件の学会発表を行った。オーストラリアのシドニーで開催された豪州日本研究学会研究大会/国際繋生語大会にて「日本人は変化しているのか-大規模調査データから見えてくる日本社会の現状-」のパネル発表に参加し、異文化コミュニケーション能力を育成するための韓国語教育の在り方について発表した。また、第87回日本心理学会においては「対人コミュニケーション行動における韓国の文化特定の探究――日本と韓国の文化差に着目して――」を発表した。2022年に実施した半構造化インタビュー調査の結果をもとに個人レベルで認識されている日本と韓国の文化的な差異を明らかにした。 2024年度には、これまでの研究成果をもとに開発された韓国語の会話教材が出版される予定である。また、半構造化インタビュー調査の結果を踏まえ、質問紙を作成し、日本人と韓国人を対象とした質問紙調査の実施を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、半構造化インタビュー調査のデータ分析および論文執筆に想定以上の時間を割くことになったため、日韓比較文化調査の質問紙の作成が遅れた。2024年度には半構造化インタビュー調査の分析結果をもとに質問紙を作成し、日本と韓国で質問紙調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には、日本と韓国で20代から40代を対象とした質問紙調査を実施する予定である。半構造化インタビュー調査で導かれた日本と韓国の文化差が韓国社会でのみ共有されているのか、または日本と韓国において共有されている程度の差異があるのかを分析する。 また、半構造化インタビュー調査で導出されたテーマを結びつけ、韓国の文化特定的な行動様式に議論を広げる。具体的には、対人関係における援助行動・迷惑行動について検討する。
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