研究課題/領域番号 |
22K13198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 仙台高等専門学校 (2023) 早稲田大学 (2022) |
研究代表者 |
西井 麻里奈 仙台高等専門学校, 総合工学科, 助教 (30836078)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 戦災都市復興 / 原爆被害者援護 / 広島戦後史 / 戦後失業対策事業 / オーラルヒストリー / 戦災復興 / 戦災者援護 / 失業対策事業 / 民衆史 / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後復興期の広島における戦争被害者の生活問題、特に住宅問題について、以下の4つの課題を順次進める。 【A】敗戦~1960年を対象とする戦争被害者の生活援護に関する研究、【B】戦争被害者の住宅問題とそれに対する社会運動・社会調査の認識に関する研究、【C】戦後広島の女性と生活問題に関する研究(失業対策事業に従事した女性労働者に関する研究)、【D】戦後広島における復興期の「不法占拠」地区の形成と解体に関する研究、の4つの研究を各年ごとにすすめる。
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研究実績の概要 |
本研究は、戦後復興期の広島における「生存」の問題について、新たに構築し、その展開可能性を追究することで、広島戦後史を再検討することを目的とする。 本研究は、戦後復興期の戦争被害者の生活問題について、被爆後を生きることをめぐる人々の思考・行動・つながりを明らかにし、新たな広島戦後史像を立ち上げることを目指すものである。 2023年度では、引き続き戦後失業対策事業に従事した経験をもつ女性に対するインタビュー調査を実施した。インタビューは広島市内にて合計2回実施した。また、戦後広島における失業対策事業と戦災都市復興との関係にかかわる資料収集を実施した。インタビュー内容にかかわる地域の資料を広島市立中央図書館、広島県立文書館にて収集したほか、労働組合・全日自労の機関紙や県支部の関連資料などを大原社会問題研究所、国立国会図書館にて収集した。 上記のインタビューの成果は、総合女性史学会自由論題報告にて報告を行なった(「女性日雇労働者の生活史―広島の戦災復興とジェンダー―」 2024年1月21日)。第二次大戦後の都市復興は建設や行政における男性の活躍を中心に語られ、描かれることを確認したうえで、都市復興を物的に担った女性たちの労働、育児、生活の経験の具体像を報告し、復興経験のジェンダーから新たに復興の歴史を描きなおす可能性について提示した。 当初の研究計画【C】に該当する被爆者相談事業について、資料調査・整理作業を行なった。資料目録の作成を継続しつつ、戦後の被爆者の生活史を解明しうる資料として、活用可能性について継続して検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度より、調査地から遠方に赴任したため、資料調査やインタビューの実施頻度が低下している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初、復興期の住宅政策と被爆者援護との関係に関する研究を軸として、被爆後の人々の生をめぐる問題のありかを具体化し、広島戦後史像の再検討を行なうというテーマを掲げ、4つの個別研究(【A】戦争被害者援護、【B】原爆被害者の社会調査記録の読解、【C】相談事業従事者の活動、【D】復興にともなう立退きへの抗議に対する再検討)の研究実施によって構成することを予定していたが、前年度の資料調査の成果から、本研究における4つの個別研究テーマを整理し、今後当面は【新A】被爆者相談事業と戦争被害者援護、【新B】戦後失業対策事業従事者の労働と戦災都市復興との関係に関する研究、に取り組むこととしている。2024年度もこの方針を継続し、特に【新B】の課題について、成果報告を目指したい。
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