研究課題/領域番号 |
22K13204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
古波藏 契 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (90834606)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 沖縄近現代史 / 歴史社会学 / 地域政策 / ソーシャル・キャピタル |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、米国沖縄統治が「沖縄的紐帯」の形成・変容に与えた影響を明らかにする。 「沖縄的紐帯」は、住民自ら生活を維持するために自然発生的につくり出す側面と、為政者による政策的介入に規定される側面をあわせ持つ。米軍当局は、統治安定の観点から住民の意識と生活世界を把握し、継続的に介入を企てた。復帰後の「沖縄的紐帯」には、そうした歴史的経緯が刻まれている。米軍当局と住民側自治機構=琉球政府は、住民生活の実態を把握するために様々な調査を実施してきた。その記録の多くは沖縄県公文書館で閲覧できる。本課題では、これらの記録を活用することにより、米国統治期における「沖縄的紐帯」の形成・変容過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本課題は、米国沖縄統治が「沖縄的紐帯」の形成・変容に与えた影響の解明を目的とする。「沖縄的紐帯」は、住民自ら生活を維持するために自然発生的につくり出す側面と、為政者による政策的介入に規定される側面をあわせ持つ。米軍当局は、統治安定の観点から住民の意識と生活世界を把握し、継続的に介入を企てた。復帰後の「沖縄的紐帯」には、そうした歴史的経緯が刻まれている。 本年度は、予備調査段階で収集してきた米軍当局の内部文書に加え、新たに琉球政府・民間団体による意識調査等の資料を収集したうえで、仮説と分析方法の見直しを行った。特に、当初の想定以上に民間(大学)の調査に示唆的な史料が多く、それらの収集・整理後にあらためて研究枠組みを設定したい。今年度は中流意識の生成について把握可能な資料を整理してきたが、次年度は新たに教育意識との関係についても視野に入れて研究を進める予定となっている。 なお、分析結果の一部については、2023年度中に刊行予定の単著『ポスト島ぐるみの沖縄戦後史』(有志舎)に生かされている。 なお、本年度は沖縄の日本復帰50年の画期に当たることから、アウトリーチ活動にも注力した。アウトリーチ活動については、一過性に終わらせることなく、社会に研究の成果を還元するための新たな回路・仕組みづくりとして、2023年度以降も強化していきたい。 また、労働者協同組合の実践者・研究者との協働関係や、研究活動とコミュニティ形成の融合に関する試行を具体化できた点も特筆すべき成果に挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響と研究拠点の移動等が重なり、一部経費の執行を繰り延べしているが、当初計画について大きな遅滞等は発生していない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き米軍・琉球政府・沖縄内外の民間団体の史料から米軍統治期沖縄社会の意識構造の分析を進めるとともに、2022年度に注力したアウトリーチ活動に一層力を入れていく。特に2022年度中に刊行予定の単著を軸とした発信に取り組むとともに、現場のニーズ・課題意識を研究計画にフィードバックすることにより、学際的かつ分野横断的な研究手法の開発に力を入れる。
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