研究課題/領域番号 |
22K13210
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
前田 英之 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80756099)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 一国平均役 / 荘園制 / 鎌倉幕府 |
研究開始時の研究の概要 |
日本中世において国家的事業用途を調達するため賦課された一国平均役については、平安後期に制度的成立を見たこと、国土統治権を表明する理念性を帯びたことが先行研究により指摘されている。だが、「平均」に反する例外措置や鎌倉期以降の幕府成立・荘園制の変質といった社会状況の変化を踏まえた運用実態の解明は、課題として残されている。 本研究では、一国平均役の網羅的な事例検出によるデータベース化を進め、様々な平均役を横断的に捉え、性格・事業規模による差異、賦課の重複や地域性、鎌倉期を通じた徴収状況の変化などを総合的に分析する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、荘園制論の研究成果との接続を意識し、一国平均役の徴収において負担量が増大していた鎌倉幕府の関与状況に注目して、平安後期からの単純な延長では説明がつかない鎌倉期固有の一国平均役の様相について具体化することにある。 2022年度は、研究実施計画を踏まえて、朝廷が賦課・徴収主体となった全国対象の一国平均役についてのデータ収集を進めた。また、一国平均役に関する先行研究を精査して、改めて平均役研究の成果・課題・展望を整理した。その成果として論文「一国平均役の課題と展望」を発表した。本論文では、一国平均役の理念性(王土思想の表明/賦課・免除の実態/国家的事業に占める一国平均役の位置)および一国平均役の実像(荘園領主との調整/鎌倉幕府と一国平均役)について、先行研究の論点を整理しつつ、私見や見通しを提示した。次年度以降、本論文での成果を前提に研究を進めることにしたい。 また、院政期~鎌倉期における東海地域の荘園制の展開についても分析を進め、地域固有の政治的・地理的条件に目配りした研究の必要を学んだ。本研究では、一国平均役の地域差についても検討する予定であるが、その前提となる着想を得ることができたと考えている(研究成果は2023年度中に公表予定)。 但し、2022年度に予定していた出張調査については、新型コロナウイルスの感染状況を考慮して実施できなかった。次年度以降は、2022年度分を補いながら調査を実施することにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた出張調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に収集したデータを整理しながら、研究実施計画【Ⅱ】に着手する。
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