研究課題/領域番号 |
22K13227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
大鳥 由香子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90882316)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 子ども / 移民 / 法文化 / 公衆衛生 / 障がい / 帰化法 / 移民法 / 市民権 / 児童保護 / 移民規制 |
研究開始時の研究の概要 |
米国は移民の国と紹介されることが多いが、なかでも19世紀末から1920年代には東欧や南欧から2000万人以上の人々が移り住んだといわれている。そのなかには267万人弱の子どもが含まれると考えられているが、彼らは入国審査の過程で「子どもであること」を理由にどのような経験をしたのだろうか。本研究は親子関係と子ども自身の健康状態にもとづいた規制がどのように形成されていったのか、米連邦政府や非政府団体、国際組織の史料をもとに読み解くものである。近年の米墨国境における不法移民の子どもを取り巻く人道危機への関心が高まるなか、児童保護と移民規制がどのような関係にあったのかを歴史学的に考察するものである。
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研究実績の概要 |
研究課題の一年目となる今年は、英文単著の出版に向け、順調に準備を進めることができた。まず、2021年12月にハーバード大学に提出した博士論文について、子ども史の国際学会から英語で執筆された前年度の博士論文の中でも優秀な論文として表彰された。さらに、2022年の11月にアメリカ法制史学会年次大会のプレ・コンフェレンスとして開催された子どもと法に関する学術会議に、若手研究者の一人として招聘された。その際、シカゴ大学およびロックフォード大学の史料館において調査を行い、単著の出版に向けて必要な史料を収集した。子どもと移民に関する歴史研究を行っているアメリカの研究者から、英文単著の出版に向けた具体的な助言を得られたこと、大学出版会の編集者と対面で話ができたことも大きな成果であった。2023年3月にはワシントンDCの国立公文書館および議会図書館、アメリカ・カトリック大学史料館で調査を行うことができた。特に、単著執筆に不可欠な入国審査のケースレコードを入手できた。また、英語の雑誌論文についても、細かなアドヴァイスを受け、原稿の準備の過程で大きな変更があったものの、特にワシントンでの調査の結果、加筆修正を行い、来年度に投稿の見込みである。 この他、本研究の課題に関連して、Business History Review誌から児童労働規制の歴史社会学に関する学術書の書評を依頼され、執筆し、2023年度に出版される予定である。また、本研究に関連して、スミソニアン・マガジン誌の記事にコメントが掲載された。 2022年度はこのほか、博士論文の第一章を改稿し、日本語の査読付き論文として学会誌に出版された。このほか、初期アメリカにおける子育てに関するキーワード・エッセイを執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英語の雑誌論文や単著の原稿の執筆が進んでおり、また本研究に関連する国際的なネットワークも順調に広がってきたためである。日本語での査読付き論文を含む研究成果の公表についても、おおむね予定通りであった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は英語の雑誌論文の修正と単著の原稿の執筆を進める予定である。特に法文化史、公衆衛生史、医学史に関する知見を深める努力をし、必要となる研究調査を進めたい。
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