研究課題/領域番号 |
22K13243
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
萩原 康雄 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (00780256)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 縄文時代 / 弥生時代 / 人骨 / 外耳道骨腫 / 四肢骨形態 / プロ―ポーション / 四肢骨 / 古墳時代 / 骨形態 / 生物考古学 / 縄文人 / 弥生人 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの骨形態は生前の活動の影響を受けて変化する.この特徴は,特に先史時代の人びとの行動様式を復元するにあたり有効である.しかしながら,日本列島の縄文時代から弥生時代にかけての人びとの骨形態の変化は,在来系の縄文人と渡来系の弥生人という系統的違いに起因するとされ,骨形態の違いから行動様式を復元しようという試みはきわめて少ない. 本研究では,縄文時代から弥生・古墳時代にかけての狩猟採集社会から農耕社会への生業転換を通じ,日本列島に居住した人びとの行動様式がどのように変化したのか,という問いを,骨形態を用いた生物考古学的手法を用いて解決することを目的とする.
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研究実績の概要 |
日本列島集団の縄文時代から弥生時代にかけての骨形態の変化は,在来系の縄文人と渡来系の弥生人という系統的な違いに着目されることが主であり,骨形態の違いから行動様式を復元しようという試みはきわめて少ない.本研究は,縄文時代から弥生・古墳時代にかけての狩猟採集社会から農耕社会への生業転換を通じ,日本列島に居住した人びとの行動様式がどのように変化したのか,について骨形態を用いた生物考古学的手法を用いて解決することを目的としたものである. 2023年度も引き続き人骨の資料調査・計測を精力的に実施した.調査は東京大学,大阪大学,筑紫野市教育委員会,九州大学,あいち朝日遺跡ミュージアム,国立科学博物館を訪問して実施した.本研究を通じた計測個体の総数は,縄文時代人骨296個体,弥生・古墳時代人骨107個体,比較データとして用いる江戸時代人骨53個体である.予備的な分析を行った結果を以下に示す.①土井ガ浜遺跡出土人骨などの海岸部の弥生時代人骨では特に男性で外耳道骨腫を認めるのに対し,隈西小田遺跡等内陸部の弥生時代人骨では外耳道骨腫を認めない.このような外耳道骨腫の発生頻度には,北部九州・山口地方の弥生時代人骨間で潜水活動等の頻度に差があったこと、つまり水産資源の利用状況に差異が存在したことを示唆する。②縄文時代集団では現代人と比較して中手骨・中足骨が相対的に長い傾向を認める.これは縄文時代集団と弥生時代以降の集団との四肢プロポーションの違いに関する先行研究と一致するものであり,掌部や足部の骨にも集団差が存在することを示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に比して、実施できた資料調査の実施状況の遅れも少なく、研究計画は概ね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は未計測の弥生時代人骨を中心とした資料調査を行い、当初計画していた対象資料すべての計測終了を目指す。また、手部・足部のプロポーション等の既に論文化に足る結果が得られている領域については、適宜論文を記載し、国際誌に投稿する。四肢骨形態、外耳道骨腫、関節面形態に関しては、上記の資料計測が終了次第、適宜成果の発表を行う。
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