研究課題/領域番号 |
22K13255
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
佐藤 彩子 公立鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (60756500)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 介護サービス産業 / 労働力不足 / 地域差 / 外国人介護職員 / 「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人 / 流入過程 / 就業特性 / 地域的文脈 / 身分や地位に基づく在留資格 / 横浜市 / 福岡県筑後地域 |
研究開始時の研究の概要 |
労働力不足が深刻な介護サービス産業では日本人の採用だけではその解消が困難であるため、国際人口移動による充足が必要である。その中でも「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人の多くは、日本での家族形成を通じた各地域の定住者であり一定の人口規模を有するため、この産業の労働力不足緩和への貢献可能性は高いと考えられる。そこで本研究では彼らの介護サービス企業就業前の教育機関である外国人介護職員初任者研修機関の全国的な分布を明らかにした上で、人口規模や外国人構成の異なる大都市圏(横浜市)と地方圏(福岡県筑後地域)を対象に、彼らの介護サービス産業への流入過程や就業特性を実態調査に基づき解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人を対象に、彼らの介護サービス企業就業前の教育機関である外国人介護職員初任者研修機関の全国的な分布を明らかにした上で、人口規模や外国人構成の異なる大都市圏(横浜市)と地方圏(福岡県筑後地域)で働く彼らの同産業への流入過程や就業特性を実態調査に基づき解明することである。令和4年度は研究対象地域の1つである福岡県を対象に在住外国人の基本的な特徴を人口構造、産業構造に基づき解明し、在住外国人非集住地域に位置付けられる小郡市と苅田町の多文化共生の取組を検討した。これを行ったのは、「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人の介護サービス産業への流入過程や定着は職場環境に加え地域内の外国人コミュニティ、行政や各種関連団体の取組等の「地域的文脈」に依存していると考えられるためである。具体的には、次の2点が解明された。 第1に福岡県では「韓国・朝鮮」において65歳以上人口割合が「中国」に比べて高く、「フィリピン」は男性で「25~34歳」が、女性で「35~54歳」「25~29歳」割合が高く、特定の年齢に集中した人口構造になっていた。また「ベトナム」「ネパール」は20代割合、製造業就業者割合が高かった。 第2に小郡市、苅田町では留学生や技能実習生等の短期滞在者割合が高いものの「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人も一定数存在し、各種ニーズに沿った多文化共生施策が展開されていた。また苅田町では在住外国人が積極的に地域行事へ参画し、地域住民との交流に加え地域行事の担い手不足解消に貢献していた。 なお、令和5年度は産前産後の休暇および育児休業の取得等に伴い補助事業を1年間中断したため、主たる研究成果をあげることができていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、令和4年度に実施予定であった福岡県筑後地域の介護サービス企業で就業する外国人介護職員への訪問インタビューが実施できなかったため。ただし、図書購入・閲読、論文印刷・閲読、既存統計データの分析、インターネットを用いた情報収集等を積極的に行ったので、福岡県の在住外国人の基本的な特徴や同県の在住外国人非集住地域における多文化共生の取組に関する論文を執筆することができた。また令和5年度は産前産後の休暇および育児休業の取得等に伴い補助事業を1年間中断し、新規調査等を実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には福岡県筑後地域で働く外国人介護職員へのインタビューを実施する。その際、同地域の介護サービス事業所だけでなく、必要に応じて「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人の動向に詳しい組織・団体(行政や外国人支援団体等)へのインタビューも実施する。また令和7年度は横浜市で働く外国人介護職員および同市の「身分や地位に基づく在留資格」を持つ外国人の動向に詳しい組織・団体(行政や外国人支援団体等)へのインタビューを実施する。これらを踏まえて、彼らの介護サービス企業就業前の教育機関である外国人介護職員初任者研修機関の全国的な分布を前提に、彼らの介護サービス産業への流入過程や就業特性を比較検討し、学会発表を行い論文を執筆する。
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