研究課題/領域番号 |
22K13257
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
寺床 幸雄 立命館大学, 文学部, 准教授 (90757767)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 農山村 / 社会関係 / 防災 / 地域類型 / 減災 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、農山村の実質地域・形式地域の対応関係を再検討し、今後の防災・減災に地域的協働が果たす役割を再考する。農村地理学における基礎地域の議論を、地理情報システムを用いて再検討し、外部からの地域支援でも参照可能な地域類型を提示する。また、地域のフォーマル・インフォーマルな活動およびローカルな知識の実態をフィールドワークから把握し、具体的な防災・減災活動の支援のために必要な情報収集のあり方を明示する。フィールドワークでは防災・減災に関する具体的な活動に加え、農山村のローカルな知識を住民主体で収集・整理する地元学をふまえた研究を展開し、地域での防災・減災体制構築に生かす。
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研究実績の概要 |
今年度は、実証研究および理論研究の基礎的作業を進めた。実証研究に関しては、地域の共同体の地域単位を歴史的に把握するために、史資料の収集と聞き取り調査を実施した。災害時の対応の基礎的単位となる集落と、より広域な地域的対応の単位となる明治行政村や校区といった領域について、歴史的な形成過程の確認を進めた。農山村の文献資料は近代以前までさかのぼることのできるものが限定的であるため、個人所蔵の史資料も含めて探索と読解を進めていく予定である。聞き取り調査では、農山村の近年の協働の実態を把握した。新型コロナウィルス感染症の影響で地域行事が中止となり、その後の再開が高齢化などの影響で困難となっている状況を確認した。地域内のコミュニケーションは、地域内の防災関連の情報共有や災害時の協働において重要なため、インフォーマルな共同関係の動態について今後も注視していく。 理論研究に関しては、英語圏を含めた論文の収集と読み込みを進めた。農山村の社会関係をめぐる議論に加え、コミュニティレベルの防災・減災に関する論文から、日本の文脈をふまえた地域的協働の実態を検討するための枠組みを検討した。さらに、伝統的な村落地理学の知見から現代的課題を考えるために必要な枠組みを得るために、国内の文献の読み込みと整理も進めた。 このほか、農業集落カードに関して、2020年の結果とそれまでのデータとの接続を検討した。電子化されていない1970年以前のマイクロフィッシュデータも参照のうえ、長期的な動態のなかで現在の農山村の実態をとらえる基盤を引き続き整備していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していたフィールドワークと方法論的検討をおおむね進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、農山村のフィールドワークと文献資料・統計による分析、国内外の研究論文の方法論的検討を進める。フィールドワークについては近年の社会状況の変化が与えた影響もふまえつつ、長期的な視点から地域の実態を位置づける作業を継続する。実証研究を位置づけるための方法論的検討も継続し、特に英語圏の研究のレビューを重点的に進める。
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