| 研究課題/領域番号 |
22K13266
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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| 研究機関 | 奈良県立大学 |
研究代表者 |
窪田 暁 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (40643119)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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| キーワード | 近代スポーツ / ドミニカ共和国 / 野球移民 / 贈与経済 / グローバル化 |
| 研究開始時の研究の概要 |
スポーツ選手の国際移動は、その要因を世界経済の構造上の仕組みから説明される傾向にあった。だが、国民国家の枠組みを超えて繰り広げられるトランスナショナルなスポーツ実践を捉えるためには、非西洋社会の人々がどのように近代スポーツと向きあっているのかに注目する必要がある。本研究は、ドミニカ共和国からアメリカに渡るプロ野球選手を「野球移民」と捉え、彼らが出身社会に富を分配する際に抱える経済倫理をめぐる葛藤とそこから生みだされる新たなスポーツ実践の実態を明らかにすることでこの問いに答えるものである。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、ドミニカ共和国(以下、ドミニカ)からアメリカに渡るプロ野球選手(以下、「野球移民」)が出身社会に富を分配する際に抱える経済倫理をめぐる葛藤とそこから生みだされる新たなスポーツ実践の実態を明らかにするものである。2024 年度は、昨年度に引き続き8月~9月にドミニカでのフィールドワークをおこなった。 ドミニカでの調査では、新たなスポーツ実践であるバスケットボールについて、地方都市(バニ市)で組織されるバリオ(町、村)対抗リーグ戦に参加するひとつのチームの監督と選手へのインタビューを実施した。2024年度は、選手がどのようにバスケットボールと関わっているのかについて重点的に聞き取りを実施した。これまでの調査で明らかになったバリオ代表チームを組織・運営するために集めた寄付の一部が選手の報酬として分配されていたことをふまえ、チームに所属する選手が富の分配をどのように捉えているのについて調査を実施した。ここからは、新自由主義の浸透が経済状況の悪化を招き、安定した収入を得ることができない若者にとって、バスケットボールで得られる収入が生活を支える糧になっていることが明らかになった。特に2024年度の調査では、当初、想定していた「野球移民」以上に、おなじ地域出身の在米移民からの寄付によって、若者に富が分配される実態が明らかになった。ここからは、バスケットボールというスポーツを介した新たなトランスナショナルな相互扶助の実践として捉えることができそうである。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度のフィールドワークにおいては、前年度までに把握したバスケットボールの概要と特定のチームの歴史と現状から踏み込んで、当該チームにおける具体的な富の分配について個々の選手への調査ができたことにより、今後の具体的な課題が明確になったと考えている。こうした知見をもとに研究のまとめを構想する段階に入ることができたので、おおむね順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
昨年度(2024年度)の調査・研究で明らかになったバスケットボールをしている若者への富の分配に関する実態に関する補足調査を実施するとともに、資金援助をする「野球移民」ではない人たちのなかでもっとも多かった在米ドミニカ移民の関与について、引き続きフィールドワークを進めていく方針である。また、最終年度にあたるため、研究成果を執筆する作業に取り組む予定である。
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